まいどです。
あらすじ
もう8月も終わり。
朝方のヒンヤリした風が頬を撫で、夏の終わりを告げる季節。
この季節になると学生時代を思い出します。
皆さんの心の中にもありませんか?夏草の薫る、遠い記憶が。
懐かしい…あれは確か、私がまだ16歳の頃でした。釣りの話の前に少しだけ、私の昔話に付き合って下さい。
……………
…………
………

電車は、まだ来ない。
ここは岡山県の片隅にある、俺が生まれ育った町。
せっかくの夏休みだというのに補習で時間を奪われた俺は、ここで帰りの足を待っていた。
俺「…はぁ……」
バシッ!
不意に背中に衝撃が走る。
?「こ~ら!溜息なんてつかないの」
こいつは私子。家が隣同士で幼稚園、小・中・高校とずっと同じ。
まぁ俗に言う幼馴染ってやつだ。
何かと俺の世話を焼きたがり、俺が所属する野球部のマネージャーなんてのをやっている。
私子「ちゃんと勉強しないと、進学出来ないんだからね!」
俺「ほっとけよ」
ミンミンミンミン…!
何でもない会話と、けたたましい蝉の鳴き声だけがホームに響く。
私子「俺クン、今日おじ様とおば様、旅行でいないんでしょ?」
俺「まぁな」
私子「晩ごはん作りに行ってあげるね!」
俺「い、いいよ。そんなの…」
私子「だ~め、遠慮しないの!」
俺の方が先に大人になってしまったのだろうか。
ガキの頃から恥ずしがらずにこのようなことが言える私子に、俺は目を逸らし、遊んでいる指先に靴紐などを結び直させた。
俺「そんなことより…」
俺は足元に落ちていた石を拾うと、大きく右手を振りかぶった。
俺「…ごめんな」
私子「え?」
俺「でも、待っててくれ」
私子「………」
俺「来年こそはきっと…お前を甲子園に連れてくから!」
そういって俺は、石を線路の向こうに向かって投げた。
私子「お、俺クン……///」
どこまでもどこまでも、この石が飛んでいくように。
いつまでもいつまでも、この永遠の夏休みが続くように。
いつか消えて、二度とは戻れない今日。
それはきっと何でもない物で、でもかけがえの無いもので。
そんな今だけの魔法なんだと思う。
青い空と、どこまでも続く線路。
その風景は、まるで俺達の終わらない未来を示してくれているように見えた。
16歳、夏。
電車は、まだ来ない。
……………
…………
………
そんな……
妄想をしました……
私の学生時代は暗い箱の中でした。青春らしいことなど何一つありませんでした。

強いていえばギャルゲーをやって夏休みを過ごしたことだけが、唯一の青春でした。
皆さんは
青春コンプレックス
という言葉をご存知でしょうか。
一般に青春時代と言われる年代に、他者との充実した人間関係を構築出来なかった人間が、大人になってから悔やむ現象です。そして時間は二度と元に戻らないので、基本的に克服することは不可能と言われます。
普段は症状が治まっていても、夏になると今でも再発します。
夏休み、バイト、花火、先輩女子、部活
そういう言葉を、俺の近くで使うな
やめろ
それは俺に効く
本当に
やめてくれ
…釣りの話をします。
チニングの矛盾
チニングが生まれた20年近く前のこと。
近場でお手軽簡単!チニング特集
それが、新しい商売のネタとしてチニングをブームにしようとしたメディア達の謳い文句でした。
しかしその実態はかけ離れたものでした。
例外を除き、今でもチニングの主なフィールドは河川です。しかしよく考えてみて下さい。
フカセは?
ダンゴは?
投げは?
チヌはどこにでもいる以上、本来チニングは餌釣り同様、どこででも釣りが出来るはずなのです。
確かに河川はチヌの魚影が濃い。
ですがその常識こそが本来は無限であるはずのチニングの可能性を狭め、限られた場所だけでしか楽しめない限定的な釣りにしてしまっている…そんな一面があるのもまた、現実ではないでしょうか。
河川が近くにある人はそれでもいいかもしれません。しかし今でも
「近所で手軽に出来るなんて、チニングっていいね!」
そう信じる純粋なチニンガー達は毎年生まれてきます。そして現実を知り、挫折し、離れていく。
憐れな話です。誰かが立ち上がらなければないと、私はそう思うのです。
だから私は…
キスを釣るような砂浜でも
サビキをするような漁港でも
アオリを狙うような磯でも
どんな場所でもチニングは通用すると証明しなければいけないのです。
そしてチニング創世記の…
先人達が犯した罪を…
私が代わりに償うのです…!!
何を言っているのか…
よく分からないと思いますが…
私にもよく分かりません…!
ただ確かなことは…
この熱い想いと…!
私が幼い頃から…
このような妄想に…
耽ってきたということだけです…!
そろそろちゃんと…!
釣りの話をします…!
島チニング

ということで少し前の釣行です。この日来たのはお隣広島県の福山市。
福山市には田島・横島という、無料で渡れる橋がかかっています。
- ここがどんな島かというと
- キス
- アコウ
- アオリ
- マダイ
- メバル
- アジ
- サバ
などなど、そんな美味しい人気の魚種達が釣れる人気のフィールドです。
自分のチニングはこんな環境でも通用するのだろうか?
さぁ勝負だ!
実釣
今回行ったのはこれらの島のどこかにある、とある岸壁。
まさに漁港といった外観で、足元からストンと水深があります。
普段は釣り人で賑わう人気スポットですが、今日は無人。その理由は風速10mの突風です。遮るものがない海からの風を直に受ける地形の為、波が舞い上がり足場は水が溜まっています。気を抜いたら頭から海水をかぶりそう。
波止+強風という条件で私がセレクトしたのは、ワームのヘチ釣りでした。ということでアーバンクローラーを岸壁沿いに落としていると…













さすが広島県!魚影が濃いな~!
そしてこの島にしては珍しくキビレのサプライズ。この島はほぼチヌなんですが、場所によっては芦田川側からか松永湾側からか分かりませんが、まれにキビレが回遊してくることがあります。
マダイもよく釣れるポイントなので、欲を言えば1枚釣れてくれてたら黒・黄・赤が揃って最高だったのに。この島はテキサスマダイやジグヘッドマダイも絶対行けると思っているのですが…。
ヘチニング
倉敷市と同じように、福山市も田舎です。大きな河川もありますが港湾、漁港、砂浜、磯…多様な環境があります。一般的なボトムゲームだけでは攻略しきることは不可能で、限定的な場所・釣り方でしか楽しめなくなってしまいます。
そういった感環を攻略する為に練習せざるを得なかった釣法、ヘチニング。ヘチ+チニング=ヘチニング。誰が名付け親か存じませんが、見事なネーミングセンスが光るヘチニングという呼び名が今では一般的ですね。
ワームは餌ではない
この釣法自体は昔からあって、みんなよく「ワームの落とし込み」と呼んでいたような気がします。
しかしみんな、あまり釣れませんでした。ヘチ釣りをそのままワームで行ってもしょせんは餌釣りの劣化版。ワームは餌には叶いません。
ワームは、ワームとしてアピールさせてやることで釣果が上がります。ボトムとヘチは90度角度は違いますが、基本は同じなのかもしれません。
風表
餌釣りの場合は、風裏か風を背負える釣り場を選択するのが普通ですよね。しかしルアー釣りは風表…いわゆるウィンディサイドの釣りが出来ます。
波止に打ち付けられた波は高く舞い上がり水しぶきを飛ばすだけでなく、実は下方向にも巻き込まれています。
プランクトン等の餌が集まる
それを追ってベイトも付く
酸素量が増える
人的プレッシャーが弱まる
などで活性が上がるとか言われます。
チヌ自体は純粋なフィッシュイーターではありませんから上2つの真相は分かりませんが、強風初日はよく釣れます。
しかし2日、3日と続くと何故かあまりいい思いをしたことがありません。荒れすぎると居心地が良い場所を探して移動するのかもしれません。
潮間帯か底か

潮間帯
突風・爆風でないならこちら。
潮が満ちた時と、潮が引いた時の干潮差の部分は潮間帯と言われ、ここにイガイが付くのでヘチ釣りでは鉄板です。
しかし悲しいかな…岡山県は、そしてすぐ隣の福山市も多分?イガイはいません。両隣の姫路や広島湾にはいるのに…。
しかしその代役を務めるミジ貝がいますし、フジツボやら何やらと潮間帯は多くの貝が付着します!
まぁフジツボは甲殻類なんですが…。
底
今回のように風が強い場合は、経験上底が強い気がします。
底まで落としたら2mほど巻き上げて、また落とします。タナ釣りなら潮間帯だけしか落とさず、底釣りなら底から2m程度しか巻き上げない。
これを横に移動しながら繰り返します。上から下まで全部攻めるのではなく、無駄を省いて効率化。
岸壁スレスレに落とす
ボトムゲームで言う所のリグが浮いてしまっている状態みたいなものですので、ヒット率が下がります。なるべく岸壁ギリギリに落とすのが吉。
道具類
ロッド

シルベラードプロト762ML-HSが使いやすいです。
ラインが一直線で魚との距離が短い為、急なバイトに対しある程度のしなやさかさがあった方が良いかと。
またリグを咥えて動かない「居食い」もいるので、そういったアタリを聞くのにも有利かと。
またヘチで反応が悪い時に、少し沖を前打ちで攻めるのにも適していると思います。
リール

軽い物を扱う為、34mmスプール機よりも径の小さい物がいいと思います。
出来れば月下美人AIR TW PE SPERCIALがいいですね。
ジグヘッド

ワームや水深により1.5~5g程度を使い分けています。
ワーム

ワームはフォール速度やアピール度などによって使い分けますが、ベイトはサミングでフォールスピードw調整出来ます。
とりあえずアーバンクローラーがあれば良いかと。
ということで…
「チニングは色んな所で楽しめる!夢いっぱい!」
…がしたい為のプチ旅でしたw
チニングはボトムゲームだけではありません。ヘチニングを始め、トップやバイブやミノーやら全部駆使すれば、きっとどんな所だって楽しめると、私はそう信じています!
皆さんも緊急事態宣言が終わったら是非、チニングジャーニーしてみて下さい!
自分の腕だけを信じて、下調べもせずに日本海遠征とかむっちゃ楽しそうですw
最後までお読みいただきありがとうございました。
またどうぞ。
コメント
コメント一覧 (2件)
一部界隈で、釣りにワームの種類は関係ない。
目の前に通せれば、なんでも良いって方々が現れますが本当にそうなんでしょうか?
魚に聞けないので答えは謎ですが。
名無しの信者さん、こんにちは!
対象魚によります。
アコウやヒラメならば、割と正解に近いと思います。一番大事なのは潮で、魚がいる場所にリグを通せるかどうかが8割だと思います。
逆を言えば、そこまで微調整してやらないと食わない一匹に照準を合わせてその場で粘り続けるぐらいなら、活性の高い魚を求めて投げる場所を変えた方が効率が良いです。
自分の場合は「ワームを変える」というのは潮の向きやら強さやら水深やら必要なら飛距離やらに合わせて潮受けの意味でローテーションすることの方が多いです。
これが管釣りや、バス釣りのサイトとかだと話は違ってきますが…。