
釣りが何よりも好きだ!
この道で生きていきたい!
好きなことを仕事にしたら幸せだろうな!
釣りが好きな人なら一度はこのように考えたことがあるんじゃないでしょうか?
釣りにはやる人にしか分からない魅力があり、その生涯を釣り一筋に費やす人も珍しくありません。検索してこの記事に辿り着いたあなたもそうなんじゃないですか?
たった一度の人生ですもんね!
大好きな釣具に囲まれ、お客さんとは釣りの話で盛り上がる!



なんて幸せな人生なんだ!
釣具屋で働きたい!
そんなあなたに10年勤めた会社を辞めて釣具屋に転職してすぐ辞めた私がリアルな業界の話をさせて頂きます!
あなたが人生を棒に振らないことを願って…w
・釣具屋の給料
・労働条件
・釣りが好きな人が歩むべき道


・元釣具屋店員 ・釣り歴…20年超 ・釣りのジャンル…ルアー、餌、フライ等 ・2022/10「ダイソー釣具」検索2位獲得 (公式を除く実質日本1位) ・住所…岡山県 ・Twitter…@hopeless_orz
給料が低すぎる
地方の某チェーン店
月給178,000円
アルバイトかな?
いえいえ、正社員の給料です。



手取り178,000円?!
それじゃとても家族を養えないよ!
何言ってるんですか?総支給に決まっているでしょう!
いきなり夢を潰してすいませんが、岡山県にある某チェーン店の真実ですw
ウチの会社も基本給安いよ!
そこに残業代やら手当が色々ついて25万ぐらいでしょ?
はい?小売業=ブラック業界ですよ。残業代なんて付く訳ないでしょう。
求人票には残業代別途ってあるって?
定時になったらタイムカードを切ってから働くんですから、そもそも残業になりません!
まぁ昔に比べたらマシな時代なので付く所もありますが、全額はまずないですよ。
あ、もちろん始業よりも早く来て働くのは常識です!



大袈裟に言ってるんじゃない?
じゃあ何で彼らはそんな所で働いてるの?
だから釣具屋は離職率が高いんですよ。
社内泥棒も多いんですしねw
まぁ独身だとか、奥さんが共働きしてるとかで何とか生活してる感じです。



ま、まぁお金が全てじゃないしね!
年間休日72日
意味が分からない…そう思いましたね?
求人票には100日以上休みがあるって書いてるって?
そんなもんはその時の忙しさ次第で「明日来て」
新店オープンの応援で「行ってきて」
これで終わりです。
全国チェーン店
総支給で約22万!
これでも釣具業界ではいい方です。
皆さんも恐らくは知っている全国チェーン店。
店員さんの平均年齢が低い…と言えば察してもらえるでしょう。
若い=イコール離職率が高い=みんな辞めたがるのですよ。
「3年で新卒が50%になる会社はブラック」と言われますが、約半年で新入社員の半分が辞めます。
「今年も多くの者が辞めたが、残った者はロイヤリティが高いように思われる」とかフォローになっていない社内新聞も…w
ちなみに彼らは意外と(失礼!)学歴が高く、大卒…しかもそれなりにいい大学を出た人もいます。
世間からすれば「親に大学まで出してもらって小売りとか…」と言った所でしょうが、なぜ彼らが釣具屋に新卒で入るのか、皆さんはご存知でしょうか?
それは夢です。
勉強が出来ても彼らは若い。
そしてそれ以上に…青い。
釣具業界では大手かつしっかりした会社であることを見せられたら「この会社なら大丈夫だ」と思ってしまうのです。
汚い大人達はそんな無垢な彼らから人生で一度しか使えない新卒という最強のカードを奪ってしまうんですよ。
労働条件が過酷
サビ残と安月給だけではありません。
地元から遠く離れた地に高頻度で転勤させられます。
小売りのチェーン店だから転勤は仕方ないじゃん?
それがですね。
3LDKぐらいのアパートを会社が借りて、そこをカーテンなどの仕切で各部屋を仕切り、3人ぐらいで共同生活させられるのです。



昔の苦学生か?!
プライベートが無い上に見たいテレビ、洗濯や掃除、冷蔵庫の中、生活必需品の分担…気が休まりませんね。
そりゃ辞めるでしょうw
ちなみに定期的にある店長会議で各店長が本社に集まるのですが、何と遠くの店長が車で本社に向かいながら途中で他の店長を拾って行くんですよ。
そうしないと交通費が全額出ないのです。



えぇ…普通は新幹線や飛行機じゃないの…?
店長だけじゃなくて一般社員も過酷ですよ。
小売業は近隣店舗のオープンやセールの応援に駆り出されるのはよくありますよね。
夜まで働いたら次の日(休日)に布団や着替えを自分の車に積んで他県の社員アパートまで行くのです。
そして次の日からセールの応援に入り、それが終わると次の日(休日)を使って帰り、翌日からまた仕事。
そりゃ辞めますよw
釣具屋に向いてる人、向いていない人
釣りを好きで居続けられる人
「釣りが好きだから釣具屋に就職したのに、みんな釣りをしなくなる」
釣具業界にはこんな定説がありますが、これは事実!(全ての人がそうではありません)
釣具屋という労働環境に嫌気がさすと、釣りに行きたくなくなるんですよね。
好きだから行くんじゃなくて、釣具屋だから釣りにいかないと行けないという義務になってしまうのです。
生涯独身を貫ける人
小売業は転勤が付き物です。
嫁さんはフルタイムの職に就きにくいから生活は厳しいですし、子供の転校も可哀そうですよね。
家族と離れて自分1人で転勤するとしてもアパート代が全額会社負担ならともかく折半負担だったら生活出来ませんよ?
自分の転勤先と、家族が住んでるアパートと二ヵ所で生活費が必要になって余計に貧乏になります。
ちなみに小売業は経営が悪化すると、転勤して生活できるだけの給料ではないのを知っていながら嫌がらせ人事で転勤させて社員を減らす場合もあります。
これは釣具屋に限らず小売業全般ですが、売れる店は残して売れない店は潰していく=スクラップ&ビルドが基本。
つまり社員の数は水道の蛇口のように欲しい時だけ増やして要らなくなったら減らせるのが理想なんですよ。というかそうしないと生き残っていけません。
また同じ店が同じ場所に何十年もあることって稀。あなたが勤めているお店はいつか閉店します。
40歳や50歳になって急に職が無くなった時、あなたはどうしますか?
そこまで考えるべきです。
釣りが好きな人が歩むべき道
釣りが好きなことと釣具屋で働くことが好きなことは違う
これが私が今までの職場を捨て、人生の貴重な時間を費やして得た真実です。
あなたは釣りが好きですか?
それなら釣具を買えるお金が貰えて、釣りに行く休日がある会社に就職するのが正解ですよ。
もちろん釣具屋が性に合っててバリバリ働いて店長になって幸せ~っていう天職の人も中にはいるんですよ。
だから絶対釣具屋に就職するのがダメとは言いません。
ただ趣味は仕事にしない方が良いと一般的には言われます。一般的に言われるからには一般的に言われるだけの理由があるのです。
否定的なことを書きましたが、この記事で未来ある若者を少しでも救うことが出来れば幸いですw
コメント