晴天と言えば響きは良いですが、7月ともなれば高く昇った太陽から照り付ける熱は容赦なく肌を焼きます。
滝のような汗を流して歩き、藪をかき分け、ようやくたどり着いた池。それはもう見事な景観で、雷魚マンならテンションが上がること間違い無し!
しかし悲しいかな…そのほとんどはハズレ=雷魚は入っていないのが現実です。
(ここも駄目かぁ……)
別に今知っているポイントだけで釣りが出来ない訳ではないのですが、池というのはいつかは終わるものです。蟻とキリギリスじゃないけれど、この地道な苦労がいつか必ず役に立つ…そう信じて今日も野を越え山を越え。
この風景が好きです。
ハスが
ヒシモが
ウキクサが
アシが
ガマが
静かで力強い生命感が、大好きです。雷魚は水中で食わせるにはあまりに容易いターゲットですが、水生植物の存在がそのゲーム性を桁違いに跳ね上げます。そんな薬物のような雷魚釣りに虜にされた、我らリリーパッドジャンキーズ。
「暑い」
「疲れた」
「ここも駄目か」
自分が苦しい時、どこかで同じ思いをしている釣り人達がいます。だから自分も頑張れる。そうして苦労の末に辿り着いた一匹は、それはもう最上級の喜びです。そう思うと釣場で出会う釣り人に対して、私は妙に仲間意識を感じます。
そう思っていた矢先、池で釣りをしていると雷魚タックルを持った2人が来ました。そしてしばらくすると対岸で何かを釣りあげました。
(雷魚にしては小さすぎる……フロッグに引っかかったゴミかヒシモか?)
それを地面に叩きつけていたのが見えたのが最後で、気が付いた時には2人はもういなくなっていました。
そして先程の2人がいた場所まで来ているのに気付いた時、彼らが地面に叩きつけていた物の正体が判明しました。
「………………」
ウシガエル。
針を外してもらえなかったのか。力ずくで引きちぎられた口は大きく破損しており、叩きつけられた衝撃で腹は割けていました。
それでも両生類の生命力はすぐに息絶えることを許さなかったでしょう。熱いアスファルトで焼かれた体は水分を失っていました。
雷魚タックルには特別な意味があります。この釣りは細糸で大物を釣り上げることなど、偉いとも何とも思われません。
「糸が切れるかどうかハラハラドキドキ。このスリルが堪らない」
そんな訳の分からない楽しみは、要らない。
魚の口にルアーを残してのラインブレイクなど恥でしかない。
釣れなくてもいいけど、掛けたからには必ず獲る。その為に生まれたオーバーパワーなタックル。それは決して、このようなことに使う為の道具ではないと私は考えます。
怒りなどではありません。
「恥ずかしい」
この時私は、自分が釣り人であることを心の底から恥じていました。
とはいえ自分と彼らと何がそんなに違うんだろうか。魚の口に針を掛け、引き摺りまわし、写真を撮る。そうしてリリースした魚の何割かは、その後助かっていないのかもしれない。
矛盾と偽善。釈然としないこの葛藤に答えを出すには、自分はまだ若すぎる。
きっとこんなことに意味はないのだろうけど、せめてウシガエルを池に戻して本日の所は納竿。
誠に申し訳ございませんでした。
最後までお読み頂きありがとうございました。
またどうぞ。
コメント
コメント一覧 (12件)
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年末から本格的に釣りを始めた「つもり」になっていました。リリースしても数日後に命を落としてしまうことが多いんですね。勉強不足でした。
今後は細心の注意をはらって蘇生&リリースしたいと思います。
こういった記事は本当に勉強になります。
ありがとうございました。
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わたしはハス池で大遠投先で掛けPE10号をキーキー鳴かしながら藻ダンゴごと寄せるシチュエーションが一番好きです
針は曲がるし魚からしても迷惑な話ですが(笑)
生き物を粗末にする奴は許せないですねぇ
2人組って若い奴らですかね?
しつけたらんといかんですね
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ほーぷれすさん
こんにちは!
更新の度、楽しく見させて頂いてますよ~
何と言って良いか?迷うというか?
分からないというか??
皆さん色んな場所で好きなターゲットを狙い
釣行してると思いますが
基本キャッチ&リリースの方
晩ごはんのおかず狙いの方
お酒のおつまみ狙いの方(私これです)
人それぞれだと思います。
リリースして満足
おかずにして満足
おつまみして満足
目的以外のものを釣ってしまい
殺して・・・満足
記事に上げてらっしゃるウシガエルの件も
可哀想な事するなぁ~
と思う反面
もし自分が忙しい時間を割いて何日、何カ月ぶりに
超楽しみにして釣りに行って全然釣れなくて
イライラMAX状態の時にこのシーン
・・・同じ事をしてしまうかも
結局、自己満足なのかな
と考えてしまいました。
色々と変な話でゴメンなさい(笑)
ではまた!
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ともさん、まいどです!
実際にリリース後にどれだけ生存出来るかは分からないですが焼けたコンクリ、乾いた砂等には置かず、さっさと針を外して写真撮ったらすぐ逃がしてやるようにしてます。
リリースした後にプカプカ浮くと悲しいですから。
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ななしAさん、まいどです!
自分が高確率で藻化けされるパターンですねw
二人組は若くてやんちゃそうでしたね。
ぜひともしつけてやって下さい!
私は怖いので、電柱に半身を隠して遠くから応援させて頂きますw
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たつさん、お久しぶりです!
自分が妙な仲間意識を勝手に持ってしまったので、反動で凹んだだけですから気にしないでください。
こちらこそ変な記事を書いてすみませんw
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フグが干からびている姿と同じです。キャッチ&リリースまたはイートの話は釣り人それぞれ色々な意見がありキリがない位ですね。殺生を伴う釣りは悪行と自覚することが大切な事で、その心があれば善行につながります。死んだカエル(仏)の教えです。
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コメント欄のフグが干からびてるのと同じとされている方と同じことを思いました。
釣り人として魚に遊んでもらっているという感覚はわすれてはいけないのだと思います。
ゴミにしろなんにしろ少なくとも自分はできうるかぎりのマナーとモラルをもって釣り人でありたいものです
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ウシガエル君は爬虫類ではなく両生類ですよー、しかしウシガエルに酷い扱い・・・口も大きいからライギョよりよほど外しやすいというのに。
私は長いライギョ釣り経験でもウシガエルは一度しか釣ったことが無いです。それも「ライギョ釣り師たるもの、1回くらいはウシガエルを釣っておきたい」と狙いに行った結果です。
普通に釣りをしていてウシガエルを掛けたことは無いですね、大遠投はしないので目視で見ていればもしウシガエルが近寄ってきたら分かるし、予期せず掛けてしまうようなことが一度もなかったです。
しかしあの蓮池が元気なころはウシガエルの宝庫でしたが、蓮が消えて2年も経つとほぼ全滅してしまいました。他の水草もほとんど同時に消えてしまったので、隠れる場所がなくなりオタマジャクシが全て鳥に食べられちゃったんでしょうね・・・
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アルフさん、まいどです!
全くおっしゃる通りです。
釣りはそもそもそういう遊びですからそこから目を背けちゃいけませんよね。
堤防のフグ、見ていると悲しくなります。
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名無しさん、まいどです!
的確なご指摘ありがとうございますw修正しました。
あの蓮の池ですが、今も絶対何かしらいると思うんですよ。
水量がある時に水門が開いたら雷魚やナマズは下流から絶対入って来るはず。
とはいえ…完全回復は、もう無理でしょうね。
新倉敷の西の溜川水路も昔はハスだらけの雷魚フィールドだったのに終わっちゃいましましたし、やはり水生植物がなくなると雷魚は脆いですね。今もいることはいますけど、バスやナマズの方が多そうですしフロッグゲームはもう…。
水路の一部だから完全水抜きされることはないと安心する訳には行きませんねぇ。
今日も雨で低活性の中開拓してきましたよw
無事、真備と児島で一個ずつ雷魚池を見つけました。
しかしどちらもまぁまぁ遠い。出来れば私達が住んでる付近にフィールドが欲しいですよね。
こないだコメントでお伝えしたようなショボイ場所じゃなくて、もっと見つけることが出来たら名無しさんだけに分かるようお伝えしますよ。
お互い開拓、がんばりましょう!
名無しさんの釣果も楽しみにしています。
雷魚に限らず是非いろいろ教えて下さい!
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てるおさん、こんにちは!
干からびたフグは見てると悲しくなります。
てるおさんがマナーとモラルを持った良き釣り人であることを、嬉しく思います!