まいどです!
ほーぷれす(@hopeless_orz)です。
岡山ではメジャーな釣りの対象魚であるママカリ。
驚くほど釣っている人もいれば、2~3時間かけてもオカズにならない量しか釣れない人もいます。
釣れる人と釣れない人の差は何なのだろう?
そう考えたことがある人は多いのではないでしょうか。
またこのように考えている人もいるのではないでしょうか?
「サビキ釣りは地元のオッサンの暇つぶし」
「サビキなら誰でも釣れて当然」
違います!
サビキをナメちゃいけません!
釣果から逆算して徹底的に無駄を省き、ひたすら効率だけを追い求めたママカリサビキは強力です。
今回はママカリの聖地・岡山県のエキスパート(地元のオッチャン達)の釣りをご紹介します。
それではどうぞ!
ママカリを食べるのは岡山だけ?
ママカリ…正式名称はサッパと言います。
日本全国どこでも釣れるのですが、岡山以外では食べない人の方が多い魚です。
他の地域ではサビキ釣りでアジ・サバ・イワシなど美味しい魚が釣れるので、わざわざ食材としての認知度が低いママカリを持って帰る必要がないのかもしれませんね。
小骨が多いとか虫がついていることがあるのも理由の一つかもしれません。
そんなこんなママカリは「餌取り」とか「外道」などと不名誉な扱いをされます。
ママカリという呼び名の意味・由来
上では全国的には釣りの対象としてはママカリが不人気である理由をご説明しました。
しかし正式名称「サッパ」であるこの魚は、どうして岡山ではママカリと呼ばれるか知っていますか?
この項目ではママカリの意味、その由来についてご説明します。
~遥か昔の岡山県~
ここは岡山。
山々に囲まれたこの地域は閉鎖で、鎖国ならぬ鎖県状態。
とはいえ鎖を張っていたのは岡山自身ではありません。
東の兵庫、西の広島、北の鳥取から
「岡山県民は来るな!」
と忌み嫌われていました。
おかげで物資に乏しく食べる物すら満足に無い岡山の人々。
しかし悲しいかな…
漁師の年間漁獲量を見てもらえれば分かるように、岡山県の海は魚が圧倒的に少ないのです。
ただ一つ…ママカリを除いては。
ママカリは貧しい岡山県民が生きていく為の貴重なタンパク源でした。
しかも食べてみるとこれが美味い!
あまりの美味しさにご飯が進む!
そしてご飯が足りなくなった岡山県民はある日、凶行に及びます。
ピンポーン
隣人「はい」
「すいませんが、ご飯が無いので分けてもらえませんか?」
隣人「は…?」
「ご飯を下さい」
隣人「え…ご飯?いや…何…え……?」
「今度返しますから」
あまりにも非常識な行動。
怒りすら覚えます。
しかし隣人はある種の恐怖を覚え、ご飯を与えて早々に帰らせ、何とか一難を逃れました。
信じられますか?
普通はありえないと思います。
詳しくは「岡山ママカリ事件」でググって下さい。
そんなこんなで飯(ママ)を借りるから飯借=ママカリ。
これがママカリという意味の意味・由来です。
でもこの話を聞いて
「隣人から飯を借りるとか草生える」
「やはり岡山県民は卑しいな」
などと思わないで下さい。
私たちは、必死に生きています。
何が悪い訳ではありません。
全ては貧乏が悪いのです。
これが岡山流!究極のママカリサビキ!
釣り場で出会った岡山県のママカリサビキの常連さん。
この写真に全てが表れていると言っても過言ではありません。
道具類を置いている位置まで完璧。
これを見ただけで分かる人は分かるはず。
「どういうこと?」
というそこのあなた!
この記事を読めばあなたも数釣り名人の仲間入りかもしれません。
それでは順に見ていきましょう。
置き竿に釣ってもらう
手に持った竿だけで釣りをする場合を想像してみて下さい。
ママカリが針にかかったらリールを巻いて陸に上げて、針からママカリを外していく…
その無駄な時間は数釣りにおいて致命的です。
ママカリ釣りというのはある意味残酷な釣りです。
腕の違いをまざまざと見せ付けられる釣りだからです。
一発大物狙いの1か0の釣りだったら熟練者が釣れないこともあれば
逆に初心者の人の方が釣ることだってあります。
しかし数釣りは別です。
数を重ねるごとに偶然性は薄れ、必然になっていくのです。
熟練者の方達はその手で1つ竿を操作しながら、その横で置き竿にも働いてもらっています。
「サビキなのに竿をサビかないで釣れるのか?」
と思う方もいると思いますが、余裕で釣れます。
潮は流れていますし、オモリの重量と拮抗する竿の弾性。
サビキ針は動いていないようで実は割と動いています。
まぁ全く動いてなくてもママカリは釣れるんですけどね…w
ただしサビくという行為が無意味な訳ではなく、ママカリの数が少ない時は集魚板を動かすことによって、近くにいるママカリを集めることが出来ます。
ママカリは振り落すのが岡山流
効率という言葉に意味には、釣るまでだけでなくて釣った後の動作も含まれます。
サビキは針がたくさんついた仕掛けですから、当然一度にたくさんママカリが掛かるのは常です。
そんな時に一匹ずつ丁寧に針からママカリを外すのは非効率。
- 右手は竿を持ったまま。
- 左で仕掛けの下にあるオモリを持つ
- 仕掛けを張り気味にする。
- ママカリの重量を活かして上に振り上げる
- ママカリが頂点に来た時、左手を下に降る
- ママカリが全部落ちる
という荒業をオッチャン達は行います。
ママカリは口が薄い皮で出来ているので釣り上げる時にポロポロと落ちやすいのですが、それを逆手に取って外している訳です。
か・ら・の~!
写真左:
黒いバケツに穴あきボウルを乗せています。
ここにママカリを落とすとボウルの底の穴に落ちていきます。
このボウルはママカリが飛び出さない為の蓋でもあります。
写真右:
ボウルを取るとその中には更にピンクの穴あきバケツがあります。
ある程度ママカリがたまったら、ピンクのバケツを持ち上げるとママカリだけを取り出せます。
ピンクの穴あきバケツの内側に黒いメッシュが張られていますが、これはカタクチイワシなど小さい魚が釣れた時に穴に挟まるのを防止するものです。
上手い人は上記の方法でママカリを落としてから拾うのではなく、このボウルの中に直接落とすことも!
おすすめの針はこれ。
キング・オブ・ママカリサビキです。
サイズですが
3号はすぐ飲まれて効率が悪いです。
4号は群れのサイズが小さい時用。
5号がスタンダードです。
ママカリの時期になったらよく釣具屋から5号針が消えます。
金針と白針がありますがだんぜん金針がおすすめです。
竿掛けは必須
振り落したママカリを拾い集める為に、ここに磯竿をかけて両手をフリーにします。
また全てのママカリが上記のように仕掛けを振って簡単に外せる訳ではありません。
仕掛けを振って外せなかったママカリは、両手で素早く外してバケツにポイッ!
そうして外している間も置き竿が働いてくれているから安心です。
要は仕掛けが常に水中にある状態を維持することが大切なんですね。
また、釣場で観察していたら分かりますが、誰かがママカリを釣ったらその周りの人達も急に釣れ出します。
これはママカリが群れで移動しており、自分の所に回遊してきた証拠です。
竿一本で釣りをするということは、一番美味しいタイミング(=針から外してバケツに入れている時間)を無駄にしているに等しいのです。
集魚板があると無しとじゃ大違い!
ママカリサビキに必ずといって良いほどセットされている集魚板。
岡山のママカリエキスパートのオッチャン達は、更に集魚板を追加でセットして使っています。
集魚板って意味あるの?と思ったことがある人も多いはず。
確かに大量にママカリが周ってきていて、誰でもいくらでも釣れるような時は関係ないでしょう。
しかし今いちパッとしない時は、これがあると無いとでは大きな差が生まれます。
具体的にはママカリは集魚板の動きとキラメキを見て自分達の仲間だと認識して寄ってくると言われます。
岡山県は貧しいので節約意識がハンパない!
岡山のオッチャン達はビールの缶をハサミで切って、釘で穴をあけて自作することもあります。
ただ安い物ですし無くなる物でもありませんし、物として優れた市販品を買う方がいいと思います。
「ワシは酒は飲まんから、公園に捨ててある缶を拾って使うんじゃ!」
ニコッ!
ママカリ常連のおじいちゃんは、少年のように屈託のない笑顔で私に教えてくれました。
これを聞いて
「だから岡山は…」
と思った人、おじいちゃんに謝れ!
岡山をバカにすることは、私の身に流れる巨凶・岡山県民の血が許しません!
ちなみにオススメはアサヒで、キリンはダメだそうですw
でもまぁ…そこまでしなくても集魚板ならこれがおすすめです。
「これちょっと大きくない?!」
と思うような80mmや95mmがよく効きます。
小さい物もラインナップにはありますが、集魚板はそもそも目立たせること自体が目的です。
それを小さくしていくことは本末転倒です。
仕掛けは持って帰るべし
サビキの仕掛けって持って帰らずグチャグチャにしてその辺に放置したり、海に捨てたりする人が多いんですよ…
おっちゃん達はこのように段ボールを切って仕掛け巻きにして持って帰り、ちゃんと水で洗って次回も使用します。
経済的ィ!
でも段ボールは凄く使いづらいので、こっちをオススメしますw
これにセットしたまま水道で洗えばいいので楽ですよ。
水を撒け、水を! ママカリは懐に優しい♪
サビキは実は自分一人でやるより皆でやる方が釣れたりします。
その周辺の撒き餌の量が増えるからです。
「でも撒き餌はお金がかかるんだよなぁ…」
という方もおられるかと思います。
私は一回撒くたびに、怪談のお菊さんのように
「ごえーん、じゅうえーん、じゅうごえーん…」
と心で呟いています。
貧乏なので…w
そして水で薄めまくり、限りなく単価を下げる。
ついには…水に至る!
それが岡山クオリティ。
貧しさの中で飢えを凌ぐ為に生み出された、知恵と文化の結晶なのです。
…というのは冗談ですw
でも大丈夫!
水を撒けばいいのです!
そうすれば他の人達に撒き餌を任せて、そのオコボレに預かってるように見られません。
「ほ~ら、私もちゃんと撒き餌を撒いてますよ~」
というアピールになります♪
…というのも冗談ですw
(近くにいる)ママカリは集魚板のフラッシングだけでなく、音にも寄ってきます。
岡山で釣りをしていたら、サビキ仕掛けの一番上に取り付けた集魚板で水面を叩いてる人がたまにいます。
「おいおい、仕掛けが空中に出てるじゃねーか。もっと沈めろよ」
…と思ったことがある、そこのあなた!
そのオッチャンは多分、あなたより経験豊富ですw
でも周りの人達に悪いので、たまには本物の撒き餌も撒きましょう。
解凍してコマセバケツに入れるのが面倒って人にはこれがオススメです。
マルキューのヒット商品。
女性チームが作ったフルーティーで、触らずに手も汚れないという撒き餌です。
最初にこれを見た時は
「コマセってなぁ臭くて汚れるからいいんだよ。女子供はすっこんでろ!」
と思ったのですが、使ってみると…
あ、いいわコレ…
私は手のひらに出してポイッ!と投げますが、手を汚したくなければ魚ツマミで掴んで投げてもいいです。
数釣りしたきゃ、追い食いさせろ! ママカリは群れでやってくる
サビキのオモリなんて5~7号でいいだろ?って思った方!
実は今回の記事の数釣りの最大のキモはここからなのです。
上で書いたようにママカリは群れで回遊していますから、一匹掛かってすぐに仕掛けを上げるのは勿体ないのです。そのままほっておけば全ての針にママカリが掛かることもあります。
しかしそんな状態になるまで放置してたら仕掛けがグッチャグチャにされますよね。
ママカリは食いあげる(下から上に向かって食う)こともしょっちゅうありますし。
上で書いたように岡山のママカリエキスパートのオッチャン達は置き竿なんてしてて大丈夫なのか…?
そう、オッチャン達は置き竿には20号のオモリをセットしておくのです。
15号だと食いあげられてしまいます。
上手くいくと、このように鯉のぼり状態になることもあります♪
サビキの醍醐味ですよねw
サビキ仕掛けは連結で!
物にもよりますがママカリのサビキ仕掛けは全長が2m30cm~2m50cm程度です。
チョイ投げの竿やルアーロッドでサビキ釣りするならこれでいいのですが、究極の数釣りを求めた場合は不足です。
ママカリという表層から底までレンジを変える魚をサビキで釣ろうと思ったら、当然長い仕掛けが有利。
そこで磯竿も5mの長さは必要となります。
出来れば5m50cmぐらいがいいのですが、6mを超えると長すぎです。
周りには釣り人がいっぱいいますから取り回しが悪いですし、穂先に糸が絡むことや針がガイドに引っかかると面倒です。
それらを考えると適したタックルは以下となります。
竿
- 種類:磯竿
- 長さ:5m
- 号数:2号~3号
ママカリ釣りに竿の値段は関係ありません。
1万円未満でしっかりした作りのリバティクラブ磯風にしておけばOKですよ。
詳しくはこちらをどうぞ⇒竿の記事を読む
リール
リールは何でもいいですが、2500番くらいが良いです。
別にもっと小さい1000番や2000番でも出来るんですが、それなりの長さの竿や重めの仕掛けを使うので手元に重心が来る方が扱いが楽です。
別にダイワの回し者ではないんですがレガリスはコスパが神がかかっているのでおすすめ。
1万未満でこれだけのリールはなかなかないですよ。
詳しくはこちらをどうぞ⇒レガリスの記事を読む
とはいえ数釣りはほどほどに…
ここまで一気に書きましたが、岡山のママカリ数釣り術はいかがでしたでしょうか?
やってみると分かますがこれを実際に行うと難しいのです。
岡山のオッチャン達は流れるような動きでこの一連の手順を鮮やかにこなします。
これが出来るようになったら、もはやママカリの数釣りは約束されたようなものです。
そうしたらあなたも立派な釣り名人!
ママカリはちゃんと狙えば
悪くても100
普通は200
良ければ300
頑張ったら400
ぐらいは釣れます。
ここまで書いといてなんですが、釣りすぎるとその後が大変です。
持って帰るには100ぐらいが楽でいいと思います。
欲張りさんでも200ぐらいでやめないと家で泣きますので、数釣りもほどほどにしときましょう。
私もこの日は300匹ほど釣って捌くのが大変でした…
南蛮漬けや酢漬けなど色んな食べ方がありますが、一番のオススメは「焼き酢漬け」ですね!
ガチでご飯が足らなくなるほど美味しいです!
追記!ルアーロッドでもサビキは出来るって知ってた?
ここまでを読んで
「へー、そんなに釣れるんだ!でも一から新しい釣りを始めるのもヘビーだなぁ」
という方もおられるのではないでしょうか?
今の若い人達には餌釣りよりルアー釣りの方が人気ですからね。
長い磯竿、コマセの道具、後片付け…なんか面倒臭いと感じるのも当然でしょう。
ということで既存のシーバスロッドやエギングロッド、あるいはバスロッドでも使える便利なグッズの紹介です!
今は昔と違って色んなアイテムがあっていいですね~!
じゃん!
これを結んで、一番下には5g~10程度の小さなメタルジグをセットするだけ。
簡単でしょう?
メタルジグは集魚板と同じで、動きと反射でアピールする為に付けます。
これによくシーバスが食ってくるんですよね~。
ママカリと一緒にママカリを食ってるフィッシュイーターも両方いっぺんに釣れます。
近年では岡山でもヒラメが増えており、この仕掛けで釣れてしまうこともありますw
さすがに磯竿を使った本格的なサビキには勝てませんが、それでも運が良い時はバンバン釣れますよ。
フルボッコ!!
ジグサビキで167匹の釣果です。
ママカリがいなくなった時でもルアータックルだとフットワークが軽いので、ランガンすることだって出来ます。
これは磯竿+コマセのスタイルだと難しいので時に強力な武器になりますね。
ルアースタイルの強みを活かすのがコツです。
これだけ釣れればガチで釣ってる地元のおっちゃんには敵いませんが、十分にオカズにはなります。
良かったらこちらの記事もどうぞ!
コメント
コメント一覧 (6件)
コマセがないなら水を撒けばいいじゃない!
前日からのオキアミ用意が手間なのと臭いが嫌でサビキは避けてました
ママカリングといい発想がすごい
仕事帰りの夕方〜夜に釣れたら最高なんですが、どうなんでしょう?
とりあえずやってみようかな
今夜が山田さん、まいどです!
ママカリは明るい時間の方が釣りやすいと思います。
私も夜間はいい思いをしたことがありません。
しかしナイトゲームを確立したら、またママカリの楽しみが増えますよね~
そう考えるとワクワクします♪
是非自由に楽しんで下さい!
先生の指針通りにして数釣りができました!!!
同行者達に、「この仕掛けセット神がかってたね(なおたろうさんがまともに釣れてるの初めて見たよ)」と言われて、
自分で考えた仕掛けかのようにドヤってしまいました!!
そのあと二軒屋商店で買ったデカアジと比べても遜色ない味でした。釣った魚の価値を決めるのは自分ですよね。
寄生虫はめっちゃ泳ぐの速くてビビりました。笑
なおたろうさん、お久しぶりです!
ママカリ数釣り成功、おめでとうございます!
ルアー、餌、サビキまで覚えるとは…
なおたろうさん、立派な釣り師になられましたね!
二軒屋商店!
行動範囲が私とかぶりますね~!
ママカリ、美味しいですよね。
私は今回は焼いて三杯酢に漬けてますが、やばいほどご飯が進みます♪
寄生虫の泳ぎは見たことがありませんでした。
あまり早く泳ぐイメージがありませんでした。
教えて頂きありがとうございます!
サッパヤドリムシ泳ぐんですか!
驚きです
もしかして游いでママカリの背に飛び乗るカンジ?
まさにママカリライダー
そうなんです、サッパから外したけど殺すのも忍びなくて、そのまま同じバケツに入れてたらメダカくらいのスピードで泳いでました。
そのあとサッパに再び食いついてイラッとしました 笑
だいたい背中に、前向きに乗ってるし、まさにサッパライダー!
甘い汁を吸うためなら努力を惜しまないタイプの嫌われ者。彼らを見習いたいと思いました。
エラにつく奴→口中につく奴→ライダーという系統で進化してきたらしくて、最新タイプみたいです。
ウオノギンカ(魚の銀貨)という名前になったらしいけど、イワシコバンに負けた感じが悔しいです。どうでも良い。
長文・にわか、失礼しました!