アユイングを始める前に
鮎をミノーで釣る。
それ自体は昔からある釣り方ですし、そういったルアーも発売されています。
しかし暫く前からダイワが本格的に力を入れていてちょっとした話題になっています。
今までは鮎師がおとり鮎を手にする為の道具でしかなかったんですが、専用ロッドまで発売してルアーマンを呼び込もうとしています。
その名もアユイング。
鮎釣りと言えば敷居が高いイメージがありますよね?
9m前後の竿、おとり鮎、おとり缶…
道具を揃えるにもずいぶんお金がかかりますし、釣り自体も大変そう…。
そんな鮎がルアーで手軽に狙えるって?!
アユイングミノーの発売も相まって、たくさんの人が興味深々の様子。
ほんとに釣れるの?
えぇ、簡単に釣れますよ。
天下のダイワ様が新たな市場を開拓しようと本気になったら、我々ルアーマンなど簡単に釣られるのです。
という冗談は置いといて、実際鮎はルアーで割と簡単に釣れます。
もちろん友釣りみたいに50も100もは無理ですけど。
そりゃ是非やってみたい!
そう思うのも無理はないですが、夢を見る前に現実を知る必要があります。
ご存知でしょうか?
鮎のルアー釣りが認められている河川は少ないということを。
漁協が目を光らせ、気を尖らせ、ちょっとしたトラブルで即御用!
鮎釣りはあなたが思っているよりずっと注意が必要な分野の釣りなのです。
しかし諦めるのはまだ早い!
以下にご紹介する5項目をクリア出来ればアユイングが出来ます。
それでは興味がある人は読んでやってください!
①漁業組合がルアー釣りを禁止していないか?
あなたが行こうとしている河川はおそらく管轄している漁業組合があるはずです。
漁業組合のHPがあれば鮎の遊漁に関する禁止事項を確認しましょう。
捻じりハチマキが似合うダンディなオッチャン達ですねw
やった!鮎のルアー釣りが禁止って書いてない!
これでアユイング出来るよね!
…と多くの人が思うでしょう。
ここに落とし穴があります。
確かに「禁止する」とは書かれていません。
しかし「許可する」とも書かれていないのです。
なんだそりゃ!
と思うかもしれませんが、そもそも常識です。
ほとんどの河川でアユイングは禁止されています。
悲しいけどコレが現実なんですよね~。
ちなみに私が住んでいる岡山県を流れる3大河川では吉井川のみ許可されていて、高梁川と旭川は鮎をルアーで釣る行為は禁止されています。
じゃあ近くにアユイングが認められている河川がない人は諦めるしかないのか?
…というと答えはNO!
裏技でアユイングが出来る(してもよい&釣れる)ポイントは実は割と他にもあるのです。
おそらくこの記事を読んでいるあなたが住んでいる場所の近くにもきっとあるはず。
以下の記事に開拓のヒントが書いています。
②県の禁止期間ではないか?
アユイングが出来る河川が絞れたら次は遊漁期間の問題です。
鮎を筆頭にアマゴやヤマメなどの淡水魚には採取してはいけない時期があります。
あなたが住んでいる県の内水面漁業調整規則を確認しましょう。
県のHPで確認出来ますよ!
1月1日から5月31日まで採捕してはいけません。
(岡山県内水面漁業調整規則)
このように明記されています。
アユイングであろうが友釣りであろうが、まずは採捕可能な時期かどうかが前提になります。
③漁業組合の定めた漁業期間内か?
6月15日から12月31日までで、組合が毎年公示する期間。
(画像は例で、繰り返しますが高梁川はアユイング禁止です。)
あなたが行こうとしている河川の解禁日を知っていますか?
県は6/1から大丈夫としていますが高梁川漁業組合では6/15にならないと鮎を釣ってはいけませんと明記されています。
6/1になったから大丈夫!なんて簡単に考えて鮎を釣ったらアウトですよ~!
管轄の漁業組合によって解禁日はマチマチですし、年によっても違う可能性があります。
ただ全国的には多くの県で6月中に解禁されますのでチェックして下さいね。
④遊漁証は購入したか?
鮎を釣るには管轄の漁業組合の遊漁証が必要となります。
遊漁証を取り扱っている釣具屋さんにいって購入しましょう。
その際に証明書や顔写真が必要となることあります。
なお遊漁証は種類があり、鮎とそれ以外の魚種で分けられていることが多いです。
基本的に鮎が高く、他の魚種は安いです。
また一日券と年券がありますが、鮎釣りをする人たちならほとんどがお得な年券を買います。
日券を購入する場合は、遠征してその日だけその河川で釣りをするという時だけですね。
それぐらい値段に開きがあることが多いです。
高梁川の場合は中流域では日券1,700円、年券は8,000円。
上流域場合は日券が3,670円、年券は12,600円です。
同じ河川でも中流と上流で値段が違うのは、管轄している漁業組合が異なる為です。
⑤禁止場所ではないか?
ここまで来たらあと一息!
再び内水面漁業調整規則を確認しましょう。
このように禁止区域が設定されています。
知らずに禁止場所でアユイングをしないようにしましょう。
密漁になりますからガチで逮捕されますよ。
ここまで全てクリアしたならおめでとうございます!
アユイングを心行くまで楽しんで下さい!
何故アユイングは禁止されるのか?
①漁協に入るお金が減る
漁業権の免許を受けた漁業組合は、遊漁の対象魚を増やす義務が課せられます。
その為、稚鮎や受精卵の放流や産卵場の整備などをしなければいけません。
漁業組合もお金がかかるのです。
それを賄うのが遊漁証代であったり、おとり鮎の販売だったりする訳です。
若いにーちゃんが遊漁証も買わずに野池のバス釣り感覚で来ることもあるでしょうし、おとり鮎の販売も落ちてしまいます。
また遊漁証には高額な鮎の1等券と、安いその他の魚種の2等券があります。
安い2等券を買ってアユイングをしている人が
マスを狙ってるだけですヨ!
と言われてしまえば漁協の人達にはどうすることも出来ません。
禁止するのが手っ取り早いですよね。
②トラブルが多発する
鮎と言えば友釣り。
友釣りと言えば多くの人が川に立ちこんでおとり鮎を操作します。
ここでちょっと想像してみて下さい。
有名な漁港などで釣り人が多すぎて竿が出せない…あなたもそんな状況で困ったことがありませんか?
その人たちがルアーを持って河川に押し寄せたら何が起きるでしょうか?
ビューン!
彼らは何十メートルもルアーを遠投するでしょう。
そしてルアーはU字を描いて流されます。
そして河川に立ちこみ、9mの竿&同じぐらいの長さの仕掛けでおとり鮎を流す鮎師達。
何が起きるかは容易に想像出来るかと思います。
漁港で隣の人とお祭りしたのと同じ程度に考えたらエラいことになりますよ。
それで相手のおとり鮎を弱らせてしまったらゴメンと言っても元には戻りません。
あるいはルアーにつけたイカリ針が、鮎師に刺さるかもしれません。
どちらにせよタダではすみません。
殴られて許して貰えれば御の字です。
最悪捕まります。
③そもそもリールを使うこと自体がダメ
アユイング云々以前にリールを使った鮎釣りを認めるのは危険です。
それこそコロガシの仕掛けを遠投して引きまくる人も出てくるでしょう。
川の中は針だらけ!
危険で入れません。
ルアーじゃなくてリールを使った釣法自体を禁止している所も多いです。
川が汚れる
ルアー=プラゴミ。
こう言われると私もルアーマンとして申し訳ない気持ちになります。
私たちが釣場で根掛かりさせてしまったルアーは、私たちの孫がおじいちゃんになっても残り続けます。
決して海なら良いという訳ではありませんが、河川という限られた水域の中のさらに限られた鮎釣場。
みんながアユイングをしていたら川の底は…
本音かどうかは分かりませんが、そのような環境的な理由もあるそうです。
結論
ここまでで分かって頂けたと思いますが、アユイングなんてのはメーカーが潤うだけです。
漁協や元々鮎釣りを楽しんでいる方々からすれば、私たちルアーマンなど害虫なのです。
この記事ではアユイングの禁止事項などをご説明しました。
それらをクリアしたからOK!…ではあるんですが、私達ルアーマンは周りに人がいない場所でやるとか、根がかりをしない努力をするとか、配慮をした方がベターだと思います。
最後に。
鮎釣りは漁協が色んな意味で目を光らせている釣りです。
ぶっちゃけその辺の小川でオイカワやフナを釣ってても何も言われないでしょうが、鮎は別です。
知らなかったとか
漁協の説明が不足だとか
他の魚を狙っているとか
本当にそうだったとしても通用しません。
通報されたら捕まりますし、裁判になったらほぼ確実に負けるでしょう。
最後にアユイングを広めようとしているダイワのHPから抜粋させて頂きます。
おそらくこれはマナーの推奨ではなく安全策。
うちはHPでこのように注意喚起してますよ。
うちには責任はありませんよ。
後はあなたの自己責任ですよ、という冷たいニュアンスにも取れます。
何だかキツイ言い方になってしまいましたがアユイングに手を出す方は以上のことを踏まえ、くれぐれもトラブルにならないようお気を付けください。
アユイングのまとめはこちらの記事をどうぞ。
コメント
コメント一覧 (2件)
アユイングに魅力を感じ、法規制について色々調べています。
よかったら参考にどうぞ
https://ameblo.jp/jeuneppi/
匿名さん、こんにちは!
これは参考になります。
ありがとうございます!