アユイングミノーの歴史
アユイング=AYUING。
鮎をミノーで釣るという今ルアーマンから注目されている話題の釣法です。
このページを検索して来あなたなら知っていると思いますが、遡上してある程度のサイズになった鮎は石についた苔ばかり食うのでなかなか餌釣りでは釣れません。
だからテリトリーに近付いてきた他の魚を体当たりで追い払うというナワバリ意識を利用してルアーで釣り上げようってことですね。
ただご存じでしょうか?
このアユイングという名前がついたのこそ最近ですが、鮎のルアー釣りは昔(1980年頃)からあったのです。
初代アユイングミノーとも言えるトモルアー。
ちゃんとF(フローティング)とS(シンキング)があるんですよw
ただこれは友釣りをする人が最初の囮鮎を捕まえる為の物だったり、囮鮎が弱った時の為の保険的なルアーでした。
だから友釣り竿で使用します。
それをルアータックルでキャスティングゲームとして使用しようぜ!というコンセプトで生まれたのがアユイングミノーという訳です。
その1年ぐらい前からパームスが提案してたんですけど、ダイワが掻っ攫っていった訳ですね。
まぁ歴史的に原案はダイワということになるでしょうけど。
アユイングミノー誕生まではこんな流れです。
それでは解説してきます!
仕様
モデル | 重量(g) | 全長(mm) | カラー数 | 定価(円) |
---|---|---|---|---|
94SF | 8.0 | 94 | 4 | 1,180 |
110SF | 11.2 | 110 | 4 | 1,280 |
アユイングミノーは94と110の2サイズ展開。
・6~7月は94mm
・8~9月は使い分け
・10月以降は110SF
大体こんな感じでイメージすると釣りやすいです。
特徴
横から見るとこんな感じ。
まんまシーバスルアーですね。
手持ちのシーバスルアーでもアユイング出来るんじゃない?
と思うかもしれませんが、フックアイの位置が独特です。
それにロングリップでフローティングタイプの物は少ないですからね。
上から見た図。
前から見た図。
リップの面積が大きくて、水をよく噛むようになっています。
おかげでアユイングミノーは僅かな水流でもしっかり潜り、大きくウォブリングします。
通常のルアーに比べてアユイングミノーのフロントアイはかなり前方にあります。
この釣りはフロントフックは不要で、フロントアイはシンカーを取り付けたりなどチューンの為にあります。
後ろのアイの近くに丸い物体が?!
これはですね~…
磁石なのです。
これによってハリス止めが垂れ下がらず暴れないようになっています。
カラーラインナップ
①アデルギラギラオレンジベリー
オレンジベリーが後方のアユにアピール!
濁りが入った時はこのカラーです。
②アデルナチュラルアユ
一番の売れ筋ですね。
先発のスタンダードカラーです。
③アデルチャートバック縄張りアユ
①と②の中間的なアピールカラー。
ランガンで効率良く攻める時などに。
④アデル黒サビアユ
9~10月になって鮎にサビが出始めたらこのカラーが鉄板。
アユイングにカラーなんて関係あるの?
確かにカラーに関しては絶対的なことは言えません。
しかしカラーが関係ないのならアユ(を含む魚類)に婚姻色は出ませんし、保護色も存在しません。
カラーは確実に釣果に何らかの視覚的効果は与えています。
まず水が澄んでいるほどナチュラルで濁りが出るほど目立つ色という鉄則は守りましょう。
その上で自分のイメージに合い、集中力を維持出来る「好きなカラー」が決まればそれがあなたの最も釣れるカラーです。
ちなみに自分は③のアデルチャートバック縄張りアユの実績が高いです。
アユイングミノーに推奨のフック
アユイングミノーにはどんなフックを付ければいいの?
ダイワのイカリ針にはこれだけ種類がありますが、推奨されているのは左上から3番目の「キープ」タイプです。
イカリ針としてはメジャーなキツネ型ですね。
特徴としては追いが弱い鮎でも掛けやすくバラシも少ないバランスタイプ。
アユイングミノーはどうしても本物の囮鮎ほどの効果はありませんから、フックセレレクとは大事です。
ルアー用のフックと友釣り用のイカリ針って違うんでしょ?
どうやって付けるの?
イカリ針は糸がフロロの糸がついた状態でパッケージに入っています。
その糸をアユイングミノーのハリス止めに通して固定するだけです。
ちなみに結びコブを作っておくと抜けにくいですよ~。
チューン
深場対応チューン
アゴの下にアゴリグシンカー1.5gを付けることで1段階深い所を攻められるようになります。
アユイングミノーは通常の状態では約50cmまでの水深を攻めるのに適していますが、このチューンによって80cm程度の水深が攻めやすくなります。
アユは放流初期は縄張りを持たずに群れで深みに溜まっていることが多い為、更に深い所を攻める時用に3gも欲しいですね。
フッキング率アップチューン
これオススメです。
3本針と4本針の違いをご存じでしょうか?
・掛かりやすい
・囮鮎が弱ってくると根掛かりが増えやすい
・貫く力が分散する為3本針に比べて刺さりが浅い
4本針は鮎との接点が多いので掛かる確率が上がるのがメリットです。
デメリットに関してですが、囮鮎が動かなくなるとその分イカリ針が接地して根掛かりが増えます。
しかしアユイングミノーの場合は自分でルアーを操作するので、腕で回避は可能です。
また貫く力が分散することに関しても大丈夫。
アユイングミノーはPEラインで使用することと常にラインテンションが張られています。
それに加えてダイワのSaqSas(サクサス)という技術で貫通力は抜群なので、4本針であることが原因でフッキング出来ないということはないはずです。
フィールド(石の多さや形状)や個人の力量にもよりますが、使いこなせれば4本針の方が釣果が上がります。
状況によって使い分けられるようになるとベストです。
+コロガシ針チューン
正直これは書きたくなかった裏技です。
私の経験上、鮎のルアー釣りというのは鮎の習性に訴える(友釣り的要素)部分と、引っ掛け(コロガシ釣り的要素)の丁度中間的な物です。
メーカーは認めないでしょうが、アユイングミノーは完全に友釣り的要素(自分の縄張りに入ってきた他の魚に体当たりする性質)だけで釣り上げる訳ではないのですよ。
状況や個体差もありますが、そこにいるアユを強制的に引っ掛けて釣るギャング釣り的要素が半分なのです。
まぁ友釣りも引っ掛けですけどねw
ということで両方の要素を兼ね備えたコロガシチューンですが、コロガシ針の作り方をご説明します!
両掛けのキツネ針を準備します。
サイズは10号か11号で良いです。
そこにハリスを沿わせます。
なおこのハリスは、リーダーよりも細い物にして下さい。
根掛かりした時にルアーが残り、コロガシ仕掛けだけ切れるようにする為です。
竿側のハリスを5回くらい巻き付けます。
そのまま竿側のハリスを後ろから針の間に通します。
そのままアイに通して締めれば完成。
これを20cm間隔で3~4つ連続させます。
と言っても釣場で作る時にいちいち20cmなんてメジャーで計りません。
成人男性が掌を広げた時、親指から小指までの直線距離ぐらいと覚えておけば大丈夫。
後はこれをアユイングミノーにセットするだけなんですが、針の数が4つという所がミソ。
本当のコロガシだったら8本くらいの連結針を使うんですが、作るのが大変です。
また根掛かりさせた時に川に入る他の人のことを考えるとあまり褒められませんよね。
金額的な負担も倍になりますから。
この4本仕掛けからすぐ作れます。
FGノット組むよりも早いです。
根掛かりも少ないし、経済的負担も少なくて済みます。
作ったら仕掛け巻きに巻いて釣場に何個か持っていきましょう!
アユイングミノーの注意点
アユイングミノーには磁石がついているのでイカリ針の垂れ下がりを防止出来るのですが、このようにイカリ針がくっついてしまうこともあります。
次のキャストをする前にチェックして下さいね!
アユイングミノーに向いたタックル
ネオステージAY
モデル | 全長(m) | 継数(本) | 仕舞(cm) | 重量(g) | 先径/元径(mm) | ルアー重量(g) | 適合ライン(lb) | 定価(円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
90MLS-4・S | 2.74 | 4 | 73 | 98 | 0.8/10.7 | 3-21 | 3-10 | 32,000 |
90MLB-4・S | 2.74 | 4 | 73 | 107 | 0.8/10.7 | 3-21 | 3-10 | 32,000 |
ネオステージAY、むっちゃカッコイイです…!
まず鮎を彷彿させる黄色の飾り巻き&金のブランク。
コルクグリップがまたニクイ!
ちなみに万人に使いやすいのはスピニングですが、使い込まなせたら強いのはベイトの方です。
飛距離ではスピニングには勝てませんが、アユイングミノーぐらいの重量があればフィネスリールならベイトでも実用十分に飛ばせます。
アユイングミノーの使い方上、どうしてもラインを張る・緩めるを繰り返すので栗ラッチのオンオフが出来るベイトは楽なんですよ。
またキャスト時にラインスラッグが出るとアユイングミノーがどんどん流されてしまうんですが、ベイトならランスラッグが出ません。
ということで急流にも対応します。
アユイングミノーは普通のルアー釣りのミノーとは使い方が違います。
自分でポイントを通すんじゃなく、流れを利用してポイントに送り込んで待つ。
ラインを張る、緩めるの操作は竿で行います。
流すぎない?!と思われるほどの9fという長さが必要になるのはその為です。
しかしこれがシーバスロッドの流用だとグリップが長いものが多く操作性が悪いのです。
ネオステージAYなら重量もスピニング98g、ベイトで107gと軽量なのもアユイングミノーと相性がいいですね。
4ピースとか溜まりませんね~!
多ピース派にはグッときます。
携帯性が良く、ルアー釣りならではのフットワークが活かせます。
注目すべきもう一つの点。
ティップの太さが0.8mmです。
アユイングミノーを扱うにはどうしてもティップに繊細さが必要です。
太いラインではアクションが悪くなり釣果が落ちますからコレ大事。
友釣りでも弱った囮鮎だと追いが極端に悪くなるのです。
あとこのティップの細さは意外と他の釣りに応用が効きます。
メバリング、バチ抜けシーバス、ヒイカ類のライトエギング、ミドルゲームのマダイなどにピッタリです。
アユイングX
2ピースの廉価版でアユイングXもあります。
予算が足りない方はこちらがオススメです。
アユイングミノーが無い時の代用品
エスケード
モデル | 全長(mm) | 重量(g) | タイプ | フック | 定価(円) |
---|---|---|---|---|---|
EC-80MDF | 80 | 7.5 | Floting | カツイチ製チラシ針M | 1,350 |
EC-100MDF | 100 | 13 | Floting | カツイチ製チラシ針M | 1,450 |
パームスが発売しているキャスティング用鮎ルアーです。
これもよく出来ていてちゃんと釣れます。
アユイングミノーにはないサイズ、重量、チラシ針が最初からセットされているなど良い面も多いです。
アユイングミノーが売り切れていたらこちらもオススメ!
自作
アユイングミノーは今大人気です。
店頭にあるものは瞬殺で、ネットなら何とか買える程度でいつ売り切れてもおかしくありません。
しかしあなたの手持ちのバス・シーバス用ミノーを使ってアユイングミノーの代用品を作ることが出来ます。
その便利アイテムがリアユハリス止。
裏面の説明通り、ルアーのアイにセットしてイカリ針をセット出来るようにするのです。
なお、このイラストにあるようにジョインテッドクローは使わないで下さいw
リアフックアイにセットします。
このハリス止めは購入時は隙間が少ないので、必要に応じてペンチで開いて下さい。
後はペンチで潰して外れないようにすれば完成!
必要に応じて上でご説明したシンカーチューンもして下さい。
この写真ではハリス止めはMサイズを使っていますが、ちょっと大きかったですね。
Sサイズが万能でしょう。
アユイングに関してはこちらの記事もどうぞ。
コメント
コメント一覧 (6件)
根がかりは取りに行ってください
匿名さん、こんにちは!
多分アユイングミノーがガッツリ根掛かるようなシチュエーションはヘッドが岩の隙間にスタックしてると思われます。
お気持ちは分かりますが、よほど浅い川でない限りそういう場合は多分取れないと思いますね~。
コロガシチューンと言っているが、以前それが原因で鮎ルアーが禁止になったことがあるんだが?
それは残念でしたね…
ルアーやコロガシが禁止されているかどうかは、各漁協組合にお問い合わせください。
これから始めようとしている者です。記事、大変参考になりました。ありがとうございました。
こちらこそ記事を読んで頂きありがとうございます!
頑張ってください!