ビーテスラー”2nd”って?
初代のビーテスラーは2019年に発売されたのですが、そのブランクはNFC(ノースフォークコンポジット)製でした。
G-Loomisを創設した伝説のロッドデザイナーのゲイリー・ルーミスさんがG-Loomisをシマノに売却し、その10年後くらいに息子さんと一緒に立ち上げたのがNFCです。
しかし詳細は分からないのですが、製造上の如何ともしがたい理由があったようでビーテスラーの2度目の生産は諦めないといけなかったそうです。
しかし2021年、デジーノブランクスで見事に復活した訳です。
ライトゲーマーにとってはありがたい話ですよね。
ブランク
ビーテスラー2ndは中弾性素材で作っている。
そのことを知った時に私の中でがぜん興味が沸いたのです。
ロッドで高弾性素材の方がいいんでしょ?
普通に考えてそんな訳ありません。
そもそも50tカーボンとかのトンって何を元にしているかをご存知でしょうか。
1mm平方のカーボンシートを2mm平行に引き延ばすの必要な力のことです。
言い換えれば高弾性カーボンは曲がりにくく、低弾性カーボンは曲がりやすい。
ロッドは以下の手順で作られます。
プレプリグ(カーボン繊維に樹脂を浸透させたシート)をマンドレル(鉄芯)に巻きつける
テープで締め付ける
焼き上げて樹脂を硬化させる
この時マンドレルに中弾性カーボンを5回巻き付けてMLのロッドを作るとしましょう。
同じように高弾性カーボンを5回巻き付けたらどうなるでしょう?
当然ガチガチの棒になっちゃう訳です。
だから巻き回数を減らすことで同じ柔らかさにするんですね。
ということは高弾性カーボンで作ったロッドは薄巻きで衝撃や傷に弱く、粘りにくくて折れやすいという一面もあるのです。
もちろん感度命みたいな釣りにおいては軽くてキンキンに作りやすいという点でメリットもありますが、自分的に一番信用できるのは旧素材と言われる中弾性です。
○トンカーボンの超高弾性素材で圧倒的な~…みたいな文章に乗せられやすい人は、悪い言い方をすればメーカーの鴨みたいなものです。
ブランクの素材なんてとうの昔に完成しているのです。
適度な張りと粘りとパワー感のバランスは中弾性素材が一番!
ビーテスラー2ndの仕様
竿袋
それでは実際に見ていきましょう。
ビーテスラー2ndの竿袋はこんな感じ。
ヒモじゃなくてマジックテープなんですね。
スッキリしています。
竿袋の中はティップとバット、それぞれのセクション用に2部屋に別れています。
グリップ
バットエンドにはインクスレーベルのマスコットキャラクターであるJ.BOYが!
可愛いですね~!
やったぁ、コルクグリップ!
EVAは使えば使うほど小学生のランドセルのようにテカテカになりますが、コルクは使うほどに味が出ます。
何よりコルクにしかない独特の上質な握り心地がたまらない!
それにしてもいいコルク使ってますね!
安物のグレードのコルクだと穴だらけなんですよ。
先と元が太くなって中央が凹んでおり持ちやすい!
ツルッっと滑ってタックルごと海にスポーン!なんてことは無さそうです。
リールシートにはデジーノのロゴが!
ブランク
バットにはビーテスラー2ndのロゴがあります。
美しいですね~!
安心して下さい!
ちゃんとスペックも書いてますよ!
バットセクションとティップセクションの継ぎには美しく曲がりも綺麗な印籠継が採用されています。
ブランクの仕上げは無塗装で美しい。
ガイド
ビーテスラー2ndには軽量なATガイドがついております。
ただ竿袋に仕舞う時には慎重にして下さい。
無理にやるとガイドフットが曲がってしまいますよ~
付属品
こんな感じです。
ビーテスラー2ndには残念ながら、グリッサンド77コンベのようにフェルールワックスとタックリエリクサーは付属でついていません。
その分価格が上がると困るので、これでOKです!
保証書
ビーテスラー2ndには保証書が付属でついていません。
インターネットで保証登録をする必要があります。
購入後1週間以内に保証登録をしないと、保証が無効になる恐れがありますので気を付けて下さい!
そこの悪いあなた!
保証登録をせずに折れてから購入日を偽って登録するつもりですね?
修理時に購入時のレシートやら納品書を求められたら言い訳が効きませんよ~!
悪いことは考えず、正々堂々とビーテスラー2ndを使いましょう!
インプレ
キャスト
メバリングに用いられるプラグは40mm~50mmが一般的です。
そのサイズとなると当然軽い物が多い。
インクスレーベル:ジェイドサスペンドモデル:43mm 2.2g
ダイワの夜霧Z42F:42mm 1.9g
スミス:シラスミノー40mm 1.6g
もっと大きな物、ファットな物、シンキングなど物によってはもっと重量がある物もありますが概ね1g台後半から3g後半の物が多いです。
メバル(メバル以外も)は一般的に釣り人が思っているよりずっと大きなルアーにもバイトしてくるんですが、スタンダードと言える上記重量が気持ちよく扱えないようではいけない。
ということでビーテスラ―2ndで一通り投げてみました。
後ろに振りかぶるとしなやかなティップは1g台のルアーでも振りかぶった時にちゃんと曲がってくれます。
それをグッと止めてそのまま軽く前に押し出す。
シュワ~~~
力んで振りぬく必要なんてない。
ちゃんとバックキャストでルアーの重みを乗せてやれば、後はビーテスラ―2ndがルアーをしっかりと飛ばしてくれます。
そういう柔らかい竿って投げた後でボヨンって手元に反動が来るよね…
ご心配なく!
ちゃんと収束も早いのでキャスト後の無駄なブレはありません。
ロッドなんてどれも同じだと思っているそこのあなた!
お店に並んでいるライトゲーム用のロッドを触ってみて下さい。
1gのジグへッドを投げて掛ける為にでしょうか、ティップがやたらと細くて先だけ曲がるようなロッドが多い事。
そんな先調子でパツパツのロッドで弾くように飛ばすのではこの感覚は味わえない。
投げるというよりも運ぶ。
軽いルアーでもスゥ~っと伸ばすように送り込んでくれる。
良い竿は手の延長なんて言葉があるけれど、それは魚を掛けたりリグを操作することを指すケースが多い。
投げる段階で手の延長のような感覚をもたらしてくれるロッドはそうそうありません。
ビーテスラ―2ndの適合ルアー重量の上限は6g。
インクスレーベルのマスコットキャラクターであるジェイボーイ(5.7g)はそれに近い重量ですが、問題なく振りぬいて投げられます。
操作
ビーテスラー2ndはプラグをメインの使用目的としたロッドであり掛けるタイプではなくしなやかな竿で、テーパーもスロー気味です。
ロッドの硬さというのはプラグの巻物においてとても大事な要素。
小型プラグは繊細なので硬いロッドだとアクションが損なわれてしまうのです。
ビーテスラー2ndはしなやかなのでそのプラグの持つアクションを最大限に活かすことが出来ます。
昼に足元でアクションを見てみると分かりますが、ミノーのリップが水を噛んで命を吹き込まれたかのように活き活きとしたアクションをします。
ビーテスラー2ndってなんかベロンベンロに柔らかそうで使いにくそうだなぁ~
ここまでの話でそんなイメージを持つ方もおられると思いますが、メバリングロッドの標準的なしなやかさです。
柔らかすぎて使いにくいなんてことは一切ありません!
感度
どうもそこを心配してる人が多いみたいなんですよね。
1.5gの着底だってちゃんと分かりますから!
こんなフォローというか反論をしてる人もいるようです。
そりゃ普通のメバリングロッドクラスのしなやかさとレングスですからジグ単は普通に使えますよ。
ただ…そんな質問をするのもそんなフォローもするのも何だか違う気がするのです。
感度がいいとか悪いとか
ジグ単が使いやすいかどうかとか
製作者の方はそんなことで競おうとしてビーテスラー2ndを作った訳ではないと思うのです。
このロッドはどこまでもプラグを気持ちよく使う為の物ですよ。
感度が良い竿がいいならこちらがオススメです。
フッキング
カッという金属的なショートバイト。
先までキンキンの掛けるロッドや、曲がり代の少ない先調子のロッドでは弾くようなアタリもビーテスラー2ndは絡めとってくれます。
ファイト
ここが中弾性素材で作ったロッドのいい所!
想定外のサイズがかかっても、ベリーだけでファイトするロッドと違ってギュ~とバットが効いて粘ります。
これがキンキン先調子のロッドだとズルズルとドラグを出すしかないか、ロッドをノされてラインブレイクで終了でしょう。
魚を無駄に暴れさせず、チヌやシーバスなどの不意の大物も問題なくキャッチ出来ます。
結論
キャストフィール、プラグの操作性、フッキング、魚とのやりとり。
どれも最高峰のロッドです。
プラグでライトゲームを思いっきり楽しみたい!という方にはオススメです。
確かに安い買い物ではありませんが、中途半端な物を買って飽きて売るんだったら最初からビーテスラー2ndにすべきです。
良いロッドをありがとうございました。
一生使わせて頂きます!
以上、ビーテスラ―2ndのインプレでした!
グリッサンドに関してはこちらの記事もどうぞ!
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