長くかかり釣りをやっていると、今の竿に不満が出てくるものです。
とはいえ筏竿なんて釣具屋さんにはそれほどたくさん置いているわけではないし、一度買ってしまえば長く使い続けるから失敗したくないですよね?
そこで今回は多くの釣り人から注目されているダイワのBJ(ブラックジャック)イカダAIRのレビュー記事を書きました!
他との違いや機種の選び方など分かりやすくまとめているので、ぜひ購入の参考にしてください♪
餌釣り、ルアー、フライなどジャンルを問わず身近な水域での釣りを楽しんでいます。
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ラインナップと選び方
- BJイカダAIR(無印)…シリーズの基本となる標準的なモデル
- BJイカダAIR W…PEラインとフロロライン両方使えるモデル
- BJイカダAIR B…ベイトリール専用モデル
まずはこの3種類の中から大まかに選び、次にその中で長さを決めましょう。
でも安い買い物ではないから「状況や好みに応じて最適なモデルを…」なんて言われても困りますよね?
ということでハッキリ決め付けちゃいますが、そもそもPEラインは筏釣りと相性が悪いのでWは買う必要はありません(笑)
PEラインはフロロより比重が高く、細くても強いのが特徴です。
しかし比重が軽ければ仕掛けが張りにくくてアタリが取にくいし、ルアー釣りのように遠投するわけでもありません。
ダンゴを落とす時は10m以上(平均的な筏の水深)のラインを手繰り寄せて足元に置きますが、PEは風で飛んでグチャグチャになります。
リールで巻きあげるとしてもテンションが掛からないのでスプール上でフワフワになり、魚がかかると上のラインが食い込むんですね。
PEライン釣法にも少しはメリット(強度)がありますが、極端に限られる=要らないです。
よって一般的なダンゴ釣法のみなら無印、さらに広角釣法もしたいならBを選んでください。
穂先の種類
- type1スタンダード
水深20mまでor潮が緩いポイント - type2ミドル
水深30mまでor潮が速いポイント - フロロtype1.5
水深や潮の速さを問わないオールラウンダー - PE type2
PEラインに対応したリングガイドを装備。
水深20mまでor潮が緩いポイント - B専用
type2より少し硬め
BJイカダAIRには1つの商品に異なる2本の穂先が付属しており、筏によって穂先を使い分けられることが出来ます。
ただしBJイカダAIR B(ベイトモデル)だけは専用の穂先が1本だけなので注意(その代わり安い)
ちなみにB用以外の穂先は全て互換性があります。
穂先は光量が少ない時間帯や曇りの日でもよく見える白塗り。
ガイドスレッドはオレンジ、イエロー、グリーンの蛍光3色スレッドで、色褪せに強い塗料(タフブライドコート)を使っています。
メタルトップ(チタン)なので細くても強度が高く、普通に使っていればまず折れることはありません。
BJイカダAIRの特徴
パワーは並
無印はよくある一般的な筏竿と同じぐらいのパワー感。
しかし高密度カーボン(HVF)、高性能レジン(ナノプラス)、外層カーボンシート(X45)とダイワ自慢のブランク製造技術が使われており、本来はもっと強く仕上げることも可能でした。
全長と重量が同じような他メーカー製と比べると、40cmクラスのチヌが掛かった時の負荷でそれはよく分かるはずです。
ただAIRシリーズではこれ以上強くするよりも、実釣性能と強度を備えつつ軽量化する道を選んだんですね。
カリカリの先調子ではなく適度に胴に入るため魚がかかると胴(バット)で受け止められ、軽さ以上の安心感があります。
ただロープ際で良型を掛けたら素早く引き剥がすことが出来ないので、もっと先まで硬い竿が欲しくなるシーンはありますね。
軽い
BJイカダAIRの最大の特徴は筏竿史上トップクラスの軽さです。
メチャクチャ軽くて長時間の使用でもぜんぜん疲れません♪
よく比較の対象にされるシマノの「セイハコウフィラート」の150cmモデルは115gですが、BJイカダAIRの155MTは何と70g!
軽い筏竿は他にもありますが、BJイカダAIRは頭一つ抜きんでていますね。
「軽いけど強度は大丈夫なの~?」と疑る人もいるでしょうが、そこは天下のダイワだけあって全く問題ありません。
AIRは「先だけ曲がる系」ではなく「曲がり込む系」なので負荷をキレイに分散して受け止めてくれます。
感度は高め
BJイカダAIRの穂先(=メタルトップ)は、ハイエンドであるメタルチューンと同じチタン合金が使われています。
振動の伝達に優れているので手感度が最高なのは言うまでもありませんが、強度を保ちながらグラスより細くできるので目感度もかなりのもの。
ただ調子(曲がり)の設計上わずかに先径が太くなっているので、「極細の穂先で僅かなアタリを取りたい!」という人には少し物足りないかもしれません。
メタルチューンとの比較
「メタルトップの感度を活かしつつ、「BJイカダメタルチューン」よりもっと大きく曲がり込んで、黒鯛(チヌ)の引きを存分に味わえる竿を目指しました」
引用:ダイワ(稲垣昌巳テスター)
メタルチューンとはBJイカダシリーズ最高峰のクソ高い貴族の竿であり、AIRは「実釣性能ではハイエンドに劣るけどスリルがあって楽しいよ」というコンセプトということですね。
AIRは155cmで70gなのに、メタルチューンは147cmで112g。
なるほど基本的に竿は重い方が強度が高くパワーがあるので、この説明は間違いではありません。
またメタチューンの穂先=SMT(スーパーメタルトップ)はAIRのメタルトップよりも先径が細く急テーパーでさらに高感度です。
ただメタルチューンは「強すぎ、重い、カーボングリップが滑る」という不満の声も…。
釣果最優先のベテラン勢はメタルチューン、普通の人には軽くて使いやすいAIRがおすすめです。
BJイカダAIR Bのインプレ
仕様
品名 | 全長(m) | 継数(本) | 仕舞(cm) | 自重(g) | 先/元径(mm) | カーボン含有率(%) | 希望小売価格(円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
B 195MT | 1.95 | 2 | 101 | 73 | 0.4/10.9 | 59 | 38,000 |
この記事を書いている現在、ダイワから出ているベイトモデルは「B 195MT」のみです。
キャストやパワーファイトなどベイトロッドの有効性を最大限に活かす長めの設定。
もっと短いのがいいという人は黒鯛工房からもベイトロッドが出ています。
こちらの方が価格は5,000円ほど安いですが、だいぶ重くなるのでダイワとは別物ですね。
こちらは195cmは長すぎるけどパワーは落としたくない…という人向け。
広角釣法に対応
広角釣法とはサシエをダンゴで包まず、オモリをつけてキャストして直接チヌを狙う釣り方のこと。
もちろん普通のダンゴ釣法だけでも釣れますが、それはその時のチヌの活性に依存=運任せですよね。
ストレートな言い方ですいませんが、それを続けているだけでは今後あなたの釣果が大きく上がることはありません。
今より上のステージに立ちたいのならば、今まで釣れないと諦めていたチヌを攻略できないといけないんですね。
つまり潮下でダンゴのオコボレを食っているだけのやる気のない個体や、障害物周りから離れない警戒心の高い老魚であり、そのためにはキャストできるベイトタックルが必要なんですね。
パワーがある
AIRシリーズには「曲げこんで魚とのスリルあるやりとりを楽しむ」がコンセプトですが、ベイトモデルは長い=バットが太いので良型でも余裕を持って受け止めてくれます。
また従来の筏竿は片軸リール(≒筏リール)と組み合わせるのが普通ですが、チヌが掛かっても人差し指でスプールを押さえてファイトしないといけないので大型には不向きでしたよね?
ギア比も低くハンドル一回転あたりの巻き上げ量が少ないため、ロープ際や沈み物付近で掛かると糸が巻かれたりと運任せな部分がありました。
そのようなシーンに関してベイトリールの巻上力が加わって、年無し(50cm超え)でも強引に引き剥がすことが出来ます。
手感度は高く、目感度はやや低め
1号オモリをぶら下げた状態。
ほとんど曲がっていませんね。
3号オモリならそれなりに曲がりました。
ベイトモデルはキャストに対応させるために穂先が硬めに仕上がっていることが分かりますね。
だから目感度(=穂先が弱い負荷でも曲がること)に関しては無印(ノーマルモデル)の方が上です。
そのように書くと「目感度が悪い竿」と勘違いされそうですが、あくまで無印モデルと比べての感想ですよ!
実際にはかなりのレベルで、通常の掛かり釣りには全く問題ありません。
またメタルトップのおかげで手感度(=手元に伝わる感度)は張りの強さもあって抜群です。
水深15mの潮通しがよく動いている時の「コン!」の後の「ジワッ…」と抑え込むチヌのアタリも明確でした。
汎用性が高い
竿下のダンゴ釣法から、前方へチョイ投げして狙う広角釣法や置き竿釣法にも対応します。
(引用:黒鯛工房)
広角釣法ばかりに目を奪われがちですが、BJイカダAIR Bの最大の武器はむしろ汎用性の高さ。
目感度とキャストに必要な張りを高バランスで兼ね備えているので1本で何でもこなせるのです。
- まずはモーニング(サシエの落とし込み)
- 続いてダンゴで釣りやすいチヌを釣る
- キャストして更に数を追加していく
といった一連の流れが出来てしまうんですね。
また筏竿は性能が尖っているので他の釣りには使えないと言われますが、BJイカダAIR Bに関しては堤防のカワハギ胴突きやチヌのヘチ釣り、穴釣りなんかにも使いやすいです。
弱点
重心が安定しにくい
これはベイトタックルの特性ですが、片軸リールは竿にぶら下がるので重心が安定しますが、ベイトリールは上に乗っいるので左右に傾きやすいと言われます。
これは物理的な現象なので半分は分かりますが、今のベイトリールは軽いし小型化されて重心が中央に寄っているので全く気になりませんけど。
慣れと好みの問題です。
魚の引きを楽しみにくい
ベイトタックルはパワーがあるため、ロープなど障害物周りからでも大きいチヌを引き離すことができます。
30cm未満なんて笑ってしまうぐらい簡単に寄って来てしまうので、小型でも時間をかけてファイトを楽しみたい人には物足りないかもしれません。
ベイトの強みを活かすために長め(195cm)に設計されていることもありバットはかなり強いですから。
外観
ガイド
ガイドは先側セクション13個+元側セクション2個で合計15個。
穂先から下のガイド4つは黒いスレッドで、そこから下は全てゴールドとレッドの飾り巻きが入っています。
継ぎ
先側を元側に差し込む並継ぎタイプ。
普通は継ぎの部分は硬くて曲がらずパワーロスや破損の原因になるのですが、BJイカダAIR BはVジョイントという技術によってワンピースロッドのように素直に曲がります。
ネーム部
シンプルすぎる。
真っ赤な竿なのに落ち着いた印象さえ受けます。
グリップ
カッコ良すぎて鼻血が出そうです。
ルアーロッドみたいですね!
エアセンサーシートというんですが、上から見るとメッチャ細い!
まるでブランクを直接握っているかのように軽く、疲労感の低減に一役買っています。
ブランクをチラ見できるだけじゃなくて感度も高いデザインです。
セットしたリールを包み込むようにパーミングできますが、身長185cm~など手が大きい人はもっと太い方が握りやすいかもしれません。
シンプルなセパレートグリップ。
グリップエンドはEVA。
よくある穂先側を収納するタイプじゃないのは少し残念。
しかし全長195cmと長めですから、仕舞寸法を短く抑えるためにセンターカット2ピースという道を選んだのでしょう。
代わりに付属のロッドベルトを使いましょう。
付属品
- 5℃以下では弾性が低下したり曲がりが生じることがある
- 0℃以下だったらさらに症状が顕著になり曲がりが戻らない
- 気温が高くなれば元に戻る
普通の環境で使うぶんにはそれほど気にする必要はないですが、冬は気を付けましょう。
また保証書が付いており、免責5000円で1年間は修理できるので安心ですね。
ロッドベルトと竿袋も付属しています。
竿袋はチャックがついているだけの簡素なもので、先側セクションと元側セクションの部屋が別れていません。
ガイドの小さい筏竿だからブランクに干渉しないからでしょうか。
また筏では落下防止に尻手ロープは必ず使いましょう。
まとめ
- 特徴…
サシエ+オモリをキャストする広角釣法対応
パワーがあって大物がかかってノされない
メタルトップで手感度が高い
汎用性が高くて1本で何でもできる - 弱点…
穂先が硬めなので目感度はやや低め
ベイトタックルなので重心が安定しにくい
パワーがあるので小型のチヌでは楽しめない - 穂先は視認性が抜群
- 高級感のある赤いブランク
- 軽く高感度なリールシート
- ベイトモデルはセンターカット2ピース
いかがでしたでしょうか?
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