リトルスパイダーの誕生
もう随分昔からスモールラバージグ…いわゆるスモラバはバスフィッシングに浸透しており、バサーにとっては周年使用する定番アイテムと言えます。
しかしそんなスモラバがまだ浸透していなかった頃に、一人の天才が生み出したワームこそがリトルスパイダーです。
株式会社ケイテック創立者であり、JBトーナメントプロでもある故・林圭一氏が開発したリトルスパイダーは当時斬新とも言えるスカートを装備し、水中で怪しくバスを誘いました。
特に琵琶湖でのダウンショットは流行ってましたね。
フィネスなリグへの適性は抜群で、ハイプレッシャーなフィールドや活性の低い真冬のバスにもナーバスなアプローチが可能で、安定した釣果をもたらしてくれる一品でした。
もちろん今でもその力は現役で、時代の先端を行くスモールラバージグ達にもヒケは取りません。
そんなゲーリーのフラグラブのパクリフィネス版とも言えるリトルスパイダーについて見ていきましょう!
リトルスパイダー、その廃盤と復活への経緯
株式会社ケイテックいわく「生産キャパシティー上の問題」によって2011年にリトルスパイダーは一度廃盤となっています。
しかしリトルスパイダーの実用性に唸っていた玄人達…主にアメリカの釣り人達から強く復活の希望が出ていました。
そこへ来てケイテックUSAの方からの申告で
「ケイテックがリトルスパイダーを廃盤にしました。しかしこのベイトには今もなお強い要望があります。つきましては、私共がケイテックに成り代わり製造販売いたします。」
(※引用 株式会社ケイテック)
などととんでもない輩が出てきたことが発覚!
これはイカン!ということでリトルスパイダー復活となった訳です。
しかしこれって考え方を変えると、パクろうとした人のおかげで復活してるんですよね。
今やリトルスパイダ―はチニング用として定番のワームですから、ケイテックが潤う金脈の1つになっているはず。
ケイテックも我々消費者も、このパクろうとした人のおかげで助かっているのだということを忘れてはいけません!
もし影で
「フフ…これでいい。こうなると思っていたよ」
とか優しさから来る行為だったのなら神ですねw
性能アップ!生まれ変わったリトルスパイダー
リトルスパイダーは復活に伴い、素材が変更されました。
元々はエラストマーという素材を使用していましたが、塩化ビニール…要は通常のワーム素材へと変更されました。
エラストマー
長所
- 耐久性と伸縮性に富んでいる。
- ボックスの中に詰め込んでいてもクセがあまり付かない。
- 素材的に浮くので、フックとの組み合わせてサスペンドに近い状態を作り出すことが出来る。
短所
- 表面がベタベタしている。
- 夏に気温が上がる車内などで溶ける。
- 硬さや臭いの添加など、素材に手を加えにくい
塩化ビニール
長所
- 硬さの調整、臭いを練り込める、豊富なカラーなど加工が容易。
- 夏でもよほどでない限り溶けない
短所
- 耐久性が低い。
ということで、釣りのスタイルによっては「前の方が好きだった…」という人もいるかもしれませんが、万人受けするのは塩化ビニール素材ですね。
そこそこ張りもある素材で使いやすいですし。
また、天然イカフレーバーを練り込み(これは反対派もいるでしょうけどw)、硬さを調整した結果、アクションが一段と良くなりました。
結果的に以前のリトルスパイダーを超えたと言っても良いでしょう!
チニングワームのド定番へ!
この復活リトルスパイダーが一気に世に広まりました。
その火付け役は、チニングの神と呼ばれるもりぞーさん!
もうバス用としてよりチニング用としての方が有名ですよね。
チニングで人気の3インチモデルのウォーターメロン、グリーンパンプキン、グリパンシャートなどはすぐにネットでも売り切れてしまうことがあるほどです。
在庫がある時にまとめ買いしときましょう。
他のカラーもよく釣れるんですけどね。
リトルスパイダーを観察してみる
パック
これがお店で売られている状態です。
クセが付かないようにブリスターパックに入って売られているワームも多いですが、自分はこっちの方がいいです。
- クセがついても普通に釣れる。
- バッグの中でスペースを取らない。
- 取り出しやすい。
などメリットがあります。
スカート
頭についているスカートです。
これが全部で16本あり、僅かな水流でもあやしくたなびき魚を誘います。
シェイク・ポーズで威力を発揮するパーツですが、巻いている時に水押しを強くしてくれる点でも効果があります。
ちょちょんとアクションを加えた後に放置していると、チヌやキビレがどこからともなくヌーッとあらわれ、ジーっと見た後にひったくっていくことがよく見られます。
ほんの僅かな水流の変化や動きを魚は敏感に感じ取っているんですね。
カーリー
このツインカーリーテールもリトルスパイダーの大きな特徴です。
薄く透明感があるこのカーリーは、水流に機敏に反応して抜群のレスポンスを発揮します。
ポーズ時にフワフワをたなびくアクションもいい仕事してます!
対応するリグと使い方
ジグヘッドリグ、ダウンショットリグ、テキサスリグ、フリーリグ。
あらゆるリグに対応する、この応用力の高さがリトルスパイダーの最大の武器といっても過言ではないでしょう!
巻いてよし、シェイクして良しの万能ワームの決定版!
これに代わるワームはいまだになかなか見つかりません。
バス釣り:
私がバス釣りに使用する時は、主にジグヘッドとダウンショットです。
ジグヘッドリグ
主にバス釣りで使用します。
リトルスパイダーにはスカートがついていますから、軽めのジグヘッドをセットするだけでスモラバの出来上がり!
お得感がありますw
ジグヘッドもちゃんとしたのは安くはないですが、それでもスモラバよりはずっと安くて経済的ですよね。
スモラバなんてフックポイントが鈍ってもなかなか交換する勇気が出ません。
一個500円近くしますからね…。
カーリーが2つ付いているスモラバ用トレーラーなんてなかなかありませんよね。
そう考えると唯一無二。
これがよく釣れるのです。
アピールが強すぎる…と思った時はカーリーをブッチ切って下さい。
スレバスにも効きますよ~
ダウンショットリグ
これも主にバス釣りで使用します。
一時これが流行ったことがありました。
リトルスパイダーのカーリーは非常に薄く透明感があり、カーリー自体は他のワーム類と比べると「弱」の部類に入ります。
これがフォール中にフワフワとナチュラルにたなびくのです。
スカートの存在もあって、一点での誘いはリトルスパイダーの得意分野なのです。
2インチを使用すれば小バスが釣れ続けることもあります。
テキサスリグ
これはチニングでもバス釣りでも使用します。
バス釣りだと~3.5g、チニングなら3.5g~のバレットシンカーと合わせることが多いです。(3インチ)
バス釣りではテキサスリグの使い道は今更語るまでもないですが、チニングの場合は使いこなしている人はまだまだ少ない。
フリーリグと違ってテキサスリグは真下にストンと落ちにくく、斜めにスライドするように落とせるのが強みです。
つまりフォール速度を落としながら横の動きを加えやすいので、ドリフトの釣りにバッチリ!
フリーリグ
バス釣りに使う時は3.5インチに3.5gシンカーを合わせると強力です。
細見のワームなので、小さいサイズに大きなシンカーを合わせるとシンカーバイトも増えますしね。
チニングに使用する時は飛距離重視の時に使用します。
カーリーテールが2つもついていたら飛距離が出なそうに思えますが、実際にはさほどでもありません。
スカートもキャスト時は後方にたなびくので空気抵抗にはなりにくいのが特徴です。
スイングインパクトの3インチとリトルスパイダー3インチを投げ比べたことがあるんですが、飛距離はほぼ一緒で着底までの時間はリトルスパイダーの方が抑えられました。
細見のシャッドテールであるスイングインパクトに飛距離では分があると思っていたんですが、そうでもありませんでした。
そう考えるとやっぱりりとりスパイダーはかなりの万能選手ですね。
リトルスパイダーのカラーラインナップ
2022/6/5追記 リトルスパイダーにチニング専用カラー登場!!
下でご紹介する通常カラーに加え、ついにリトルスパイダーにチニング専用カラーが登場しました!
今回の5色はダイワのもりぞーさんがクレイジーフラッパーやアーバンクローラーなどに採用した実戦的なラインナップです。
カラー | 使い所 |
---|---|
ウォーターメロンフラッシュ | クリアウォーターから笹濁り |
グリパンオレンジゴールド | 濁り、ナイトゲーム |
エビミソレッドコパー | ナイトゲームの定番 |
ライトウォーターメロンシュリンプ | クリアウォータースペシャル |
ヨドガワクロー | オールマイティー |
通常カラー
ケイテックのワームのカラーはどれも美しい!
チニングに使うならド定番の以下は揃えておきたいですね。
- 101グリーンパンプキンペッパー
- 008スカッパノン
- 401グリパンシャート
ちなみに誰も買いそうにないサイトフラッシュはよく釣れます。
白はシチュエーションを選ばずによく釣れる良いカラーですよ。
リトルスパイダーの仕様!価格・入数・適合フックなど
サイズ (インチ) | 重量(g) | 適合フック (オフセット) | 入数(本) | 価格(円) |
2 | 1.1 | #3,#4 | 8 | 614 |
3 | 1.7 | #2,#3 | 8 | 614 |
3.5 | 2.7 | #1,#2 | 5 | 682 |
ちなみに価格は価格は店舗によって違います。
アマゾンが614円で2000円以上で送料も無料なのでよく利用しますが
置いているカラーが豊富で送料190円の楽天市場「フィッシングサンイン」さんもいいですね。
チニングにおいて定番は3インチですが3.5インチもメチャクチャいいです。
ただ問題は一個当たりのコスパが…。
3インチが76円なのに対し、3.5インチは136円かぁ~…。
いや、たまの休日に気持ちよく楽しむためなら全然アリだと思うんですよ。
トリプルフックが2つも付いた2000円近いプラグを投げるよりは全然良い。
ただ私は貧乏なので、一つ当り60円の差はデカいw
そんなあなたに吉報!
これを使えばワームが吹っ飛んでなくなるまではずっと使えます。
↓↓↓
リトルスパイダーの弱点を補う
・軽量シンカーでは飛距離が出ない
・アピール力が弱い
飛距離
応用力、使いやすさ、釣れっぷりは最高のリトルスパイダーですが弱点もあります。
チニングにおいて定番である34mmスプール径のベイトリールを使用する場合、3.5gや5gといったチニングには比較的ライトなシンカーを使用したら飛距離が出ません。
これはリトルスパイダーの自重が軽いことによる現象です。
形状自体はキャスト時の空気抵抗も少ないんで、7g以上ならぶっ飛びなんですけどね。
そんな時にはハリーシュリンプの方がオススメです。塩入高比重のおかげで3インチでも3.7gとしっかりと自重を確保しているおかげで、軽量シンカーでもぶっ飛びです!
アピール力
風が強い、濁りが強いといった状況ではリトルスパイダーの使用頻度は減りますね。
アピール力がやや乏しい点は否めません。
また初めて行く場所や大場所では広範囲にいるチヌ、キビレにリグの存在を知らせる為にも強い水押しが求められます。
そういう時はチニングの定番ワーム、クレイジーフラッパーの方がオススメ。
どっちも補う
クレイジーフラッパーは強すぎるけどリトルスパイダーじゃ弱い…という時はアーバンクローラー。
この2つの間を埋める為にダイワのもりぞーさんが出してくれたワームです。人気がありすぎて基本的に売り切れてますが…w
まとめ
チニングのワームの記事はこちらをどうぞ!
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