まいどです!
ほーぷれす(@hopeless_orz)です。
チニングでのシャッドの立場
チニング御三家のルアーと言えば一般的には1にワーム、2にトップ、3にバイブ(あるいはメタルバイブ)というイメージが強いですよね。
もちろん他のルアーだって状況によっては御三家よりも輝くのですが、汎用性や安定性の点でトップ3に及ばないケースが多い。
しかしそれらの中で昔からメキメキと頭角を現し、現役3位のバイブレーションを脅かしかねないルアーが存在します。そう、それがシャッドなんです。
シャッドは日本全国で使用されますが特に多用されるのはチニングの聖地の一角とも言われる浜名湖でしょう。浜名湖は牡蠣殻が大変多くプラグでしか攻略出来ないポイントも多いことからシャッドの釣りが特に発展してきたフィールドです。
そんな浜名湖ではHOT(浜名湖オープントーナメント)と言って、沢山のメーカーや企業がスポンサーになっている釣り大会が行われるのですが、シャッドはそんな大会で上位に入り込むチニングエキスパートがウイニングルアーとして使用するほどの実力があります。
まぁHOTはチヌ・キビレだけじゃなくてシーバス、ヒラメ、マゴチもOKなので他魚種を狙うのに適しているという理由もあるでしょうけど。
それではそんなシャッドのチニングにおける強みや使い方を見ていきましょう!
そもそもシャッドって何?
シャッドとは小魚という意味で、シャッドとは小魚に似せたルアーという意味を持ちます。
ちょっと待って!
それ言ったらミノーやクランクベイトだって小魚を模してるでしょ?
あなたはそう思ったはず。ミノーはサヨリ、クランクベイトはフグを模してるんです…では納得しませんよね。
その通りでしてこれらは3つとも小魚を模していますが、形状によって名称と機能が違なるのです。
写真上のミノーは細長く浮力を抑えやすくフローティングからシンキングまで幅広く対応し、左右へダートさせやすく、浮力が弱めなことに加えてリップ幅が狭くなりがちなので根掛かりには弱め。
写真下のクランクベイトは全長が同じなら体積があるので浮力を確保しやすくフローティングに向いていて、泳ぎは安定していて、浮力が強めなことに加えてリップ幅を確保しやすいので根掛かりにも強い。
写真中央のシャッドはその中間な形状と特性の物という訳ですね。
だから市販のルアーの中にはメーカーがミノーと呼んでいるけど「これシャッドじゃね?」というものもありますし、シャッドとパッケージに書いてあるけど「これクランクに入らないか?」という微妙な物もあります。
チニングでのシャッドの使い方
ボトムを小突く
ボトムを小突きながら底ちょい上を巻くというのがチニングにおけるシャッドの基本的な使い方です。
トレブルフックが2つも付いているのにボトムを小突いて大丈夫なの?
ご安心下さい!シャッドはそのリップと浮力によってあまり根掛かりしません。シャッドはむしろフリーリグが一発で根掛かるようなガキガキの牡蠣殻地帯でこそ真の効果を発揮します。
何故ならボトムリグ系は針先をワーム内に隠しているだけなので、シンカー自体が間に挟まるポイントでは無力なんですね。
特によく使われるタングステンシンカーなんて小さくて重いので穴や隙間の奥にもストンと落ちてしまいます。よくフリリグやテキサスは根掛かり回避能力が高いと言われますがポイントによるという訳ですね~。
ですがシャッドは別です。ストンと沈まないから穴にも落ちず、リップのおかげで狭い隙間にも挟まりにくい。スタックしてもドラグを締めてバット~レベルワインダー間のラインをギュ~っと引っ張り一気に離してパンッ!と衝撃を与えてやると、それによってキックバックして外れます。
それってクランクベイトの方が浮力も高いし根掛かりしにくいから良いんじゃないの?
チニングのシャッドはバス釣りは違ってボトムメイン。浮力が高いプラグは根掛かり回避力は高いですがすぐに浮くのでボトムから離れやすいのです。でっかいリップを付けたディープクランクという手もありますが、あれMHとかのロッドと巻上力が強いリールを使わないといけません。
その釣りだけしかしないならいいですが、他の釣り方も1つのタックルである程度こなすならチニングタックルとしてはありえないのです。
浮力が強すぎない(サスペンド~スローフローティング)のでボトムを攻めやすく、長いリップにより根掛かり回避力も強めなシャッドはチニングに最適なんですね。
ボトムちょい上をただ巻き
皆さんはクランキングシャッドという言葉をご存じでしょうか?
クランキングシャッドってクランクなの?シャッドなの?はっきりしてよ…
クランクのように使うシャッドのことです!
元々の話をするとシャッドというのはバス釣りにおいて厳寒期の食いが悪いバスの鼻先でダートさせてピタッと止めて食わせる為に使われます。だから水深1mちょっとの浅い水路だったら別にミノーだって同じことが出来るんですよ。
ただ基本的に冬バスはもっと深みのストラクチャーにいるので、全長を抑えつつもファットにして体積を持たせられるシャッドの方がシルエット的にも自然だしキャスタビリティも上がります。
仮に6cmのシャッドをミノーで表現しようとしたらメバリング用の細身&リップだけ大きいという、飛ばないし見た目もおかしいプラグになりますから。それがそれまでのシャッドのセオリーで、そのままだとチニングには微妙なプラグでした。
しかしジャッカルがソウルシャッドを世に出したことで、それまでのシャッドのセオリーが覆されることになります。
トゥイッチしようがジャークしようが前につんのめるだけでダートしない…それがソウルシャッドに対する最初の感想でした。しかしダートしない=直進性が優れている。
この特性からいつしかソウルシャッドはクランクベイトのように巻いて使われるようになりました。これがまた抜群に釣れる!ミノーシェイプで控え目なシルエットと波動という、クランクベイトには真似出来ない性能を持っていたのです。
私はそれまでジャッカルが好きではありませんでした。今でこそ物作りのコツを掴んでいますが昔すぐにルアーを開発しては廃版にするようなメーカーでした。ろくにテストなんかしてないのは明白で、売れなきゃ次!という商売っ気が強すぎたのです(個人的感想ですw)
そんなメーカーにいい物なんて作れやしない!…と言いたいところですが、色々作ってると良い物も混ざるんですね。そんなこんなでメーカーの意図した所とは別の所で有名になってしまった名作?迷作?がソウルシャッドですが、何にしろこれがこれがクランキングシャッドの始まりでした。
味を占めたジャッカルがディービルシャッドなど「クランキングシャッド専用」と全面に押し出したルアーも出してきましたが、これはダメですw
まずチニング=ソルトで必要な飛距離が足りません。飛行姿勢が安定せずクルクル回って飛びません。更にクランキングシャッドの特性を活かした早巻きへの対応もおろそか。アクションが破綻しちゃうのです。
あとアクションが強すぎてこれはもうシャッドじゃなくてクランクに近い。やはりソウルシャッドは偶然の産物だったようですねw
ジャーク
チヌやキビレはリアクションに弱いので、チニングにおいてはシャッドのジャークも有効な使い方です。
通常は上で書いたように底を叩きながら巻くだけで良いのですがそれで食わない時はこの使い方。
キャストしてボトムを叩きながら巻いている途中ではジャーク→ポーズを入れることによってリアクションでチヌ・キビレに口を使わせることが可能です。
とはいえ左右にかっ飛ぶような3DダートはNG。
これがバス相手だったらリアクションバイトを取るのに極めて有効なんですが、チニングにおいてはそれによって食いが上がるということはほとんどないどころかミスバイトの原因になります。
チヌやキビレは単純なのでバスほど難しくはないので余計なことはしない方が良いということですね。
チニングにオススメのシャッド
ソウルシャッド58SP
58mm5.5g。
チニングに必要な性能を全て持っているソウルシャッド。上で書いたようにチニングの大会でも人によっては奥の手として使う頼もしい存在で、超高速巻きにも対応しています。
42/52/58/62/68と5つのサイズがありますが58がチニングのスタンダードサイズです。潜行深度は約1.5mと一般的なチニングシーンで使いやすいですよ。ちなみSP=サスペンドなのは淡水で、汽水~海水ではスローフローティング気味になります。やっぱりチニングにピッタリです。
ソウルシャッド58SP/SR
58mm5.0g。
喉から手が出るほど欲しかったソウルシャッドのシャローモデル!
オリジナルが1.5m潜ってしまうので底を小突くにはいいんですが、底より上を高速巻きするクランキングシャッド的使い方はシャローでは出来ませんでした。シャローにチヌ・キビレが群れているようなポイントではあまりあまり底をゴツゴツやりすぎる=巻き速度が遅いと見切られます。
それがこのSRの登場によって解決!潜行深度は約1mで、シャローを縦横無尽に巻きまくることが出来ます。根掛かりが怖い人にもオススメ!
ソウルシャッド62DR
62mm6.2g。
1.5mまでしか潜らないシャッドでは全てのフィールド攻略する事は出来ません。「自分がやっているフィールドはそんなに浅くないよ」という人も多いでしょう。巻いてようやくボトムに到達した、という時には手前まで回収していたのでは話にならないのです。
ということで重量アップで飛距離アップ+更に深い2mまでの水深を攻めることが出来るようになりました。このノーマル、SR、DRの3種類でチニングでシャッドを使用するシーンのほとんどをカバーすることが出来ます。
パワーダンク57SP
上の3つで大体カバー出来ると言いましたが、それに当てはまらないシーンで使えるのがこのパワーダンク57SP。あなたの周りに以下のようなポイントはありませんか?
これらを攻めるのにどうしても必要な最後のピースがこのシャッドなんです。
57mmの細見に7.9gという重量を詰め込み、移動重心で飛行姿勢も◎!抜群の飛距離が出ます。レスポンスも良く非の打ちどころがないアクション。加えて最初から大物使用のヘビーワイヤーフックが搭載されているのでチニングにもピッタリです。
水深4mといったソウルシャッドでは到底カバーしきれない一段深みを攻めることが出来るのがパワーダンクの強み。また波止など足場が高い場所でもしっかりと潜らせることが可能。沖のブレイクはチニングにおいて外せないポイントですが、パワーダンクの飛距離と急潜行なら攻めることが可能です。
OSPのルアーはどれも優秀ですが、このパワーダンクは20年前に発売してから未だ現役。急潜行のディープシャッドとしてはこれが最強でしょう。発売当時はあまりの完成度の高さみんな度肝を抜かれた物です。
ちなみにSP=サスペンドですが、こちらも汽水域で使用するとスローフローティングになって使いやすいですよ~。
まとめ
チニングの道具・釣り方など総まとめの記事はこちらをどうぞ!
コメント