シルバーウルフAirってどんな感じなんだろ…
よく分からずに買って失敗したくないなぁ~
軽さ、感度、パワー、操作性…チニングロッドに求められる要素はたくさんありますよね。
中でもシルバーウルフAirは今もっとも有名なチニングロッドですから、これを知らずにチニングは語れません。
ということで今回はシルバーウルフAirを徹底レビュー!
この記事を読んで購入の参考にしてください♪
餌釣り、ルアー、フライなどジャンルを問わず身近な水域での釣りを楽しんでいます。
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シルバーウルフAIRの動画
シルバーウルフAIRについてはまずはこちらの動画をご覧ください。
MXの解説も兼ねていますので、時間がない人の為にAIRの解説が始まる03:43から動画再生されるようにしています。
要は下位グレードのMXに比べてブランクとガイドを軽量化させつつ張りを強めたモデル。
感度、操作性、飛距離などを向上させた訳ですね。
シルバーウルフAirのラインナップ
スペック
品番 | 全長(cm) | 仕舞寸法(cm) | 継数(本) | 重量(g) | 先径/元径(mm) | ルアー重量(g) | 適合PEライン(号) | 希望小売価格(円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
72MLB-S | 2.18 | 113 | 2 | 89 | 1.3/12.9 | 4~18 | 0.4~1.0 | 46,000 |
76MLB-S | 229 | 118 | 2 | 93 | 1.4/12.9 | 4~18 | 0.4~1.0 | 44,000 |
83MB-S | 未定 | 未定 | 2 | 未定 | 未定 | 4~18 | 0.4~1.5 | 48,000 |
76MLB-S
3本のモデルの中で中心になるのは76MLB-S。
チニングロッドのど真ん中ストレートなスペックですよね。
しっかり飛ばせるし、感度もいいし、操作性も十分!
1本だけ買うなら間違いなくこれでしょう。
72MLB-S
(現時点での)センターとしての役割を担うAIR76を去年作ることが出来たが故に、パワー設定を若干落としつつレスポンスを上げた72が作れたって感じでしょうか。
— もりぞー (@morizo57) January 23, 2023
72MLB-Sは短くなったぶん操作性が増して近距離線に特化したモデル。
使用場面としてはボートや小規模な水路、あるいは夏など手前にチヌが寄っているシーンで効果を発揮します。
ティップが76MLB-Sよりも細くなっているのでトップウォーターの細かい操作もできるようになっています。
しかしブランクの元径は同じなのでパワーは問題ないことが分かります。
83MB-S
チニングの限界突破な83というレングスにより、しっかり曲げて投げればチニングロッド史上最高の飛距離が出せます。
現在のチニングシーンにおいてメインといっても過言ではない大河川でのオープンウォーターで欠かせない武器になることでしょう。
ロングレングス化した割にはグリップは短いな~と思っていたんですが、手にした時のロッドバランスよりも操作性やブランクの長さを活かすことに重きを置いたんですね。
また通常ロッドは長くなるほど曲がり代が増えて柔らかく感じますが、83MLB-Sはそうならないよう張りのあるロッドに仕上げられています。
シルバーウルフAIRの外観
竿袋
それではシルバーウルフAIR 76MLB-Sを観察していきましょう。
竿袋はこんな感じ。
グリップ側がメッシュになっていて中が確認出来ます。
竿袋の中が確認出来なかったら、ロッドの番手を間違えて釣場に持っていくこともあるでしょう。
今後シルバーウルフAIRに別番手が発売された時もそういった間違いを防ぐことが出来ますね。
全体
全体の写真です。
全体的にブラックで、グリップ周りにシルバーの装飾。
渋いですね!
グリップ
それでは元から先に向かって観察していきましょう。
これがシルバーウルフAIR76MLB-Sのグリップの全体です。
グリップエンド。
シルバーウルフのエンブレムパーツでも入っているのかな?と思いましたが特に何もありませんね。
ここはリーダーを組み直す時などに地面に置く「石突き」のようなものですから問題ありません。
むしろここに何かあると気を使って地面置き出来ないので。
グリップのセパレート部を見てみましょう。
ダイワのロゴが入っていますね。
クルッと回すと反対側にはシルバーウルフAIRに使用されている技術特性が書かれています。
詳しくは後程説明しますが左からSVFナノプラス、X45フルシールド、メガトップです。
トリガー部はこんな感じ。
リールシートにはエンサーシートのロゴが入っています。
赤や緑にキラキラ光るラメが入っていて綺麗です。
裏側です。
リールをセットするとフロントグリップ下のネジが見えるロッドがよくありますよね。
あれって不格好だと思いません?
シルバーウルフAIRのフロントグリップはネジを隠すようになっているのもで見た目もグッド!
ブランク
それではブランクを見ていきましょう!
シルバーウルフのロゴとAIR76MLB-Sが表記されています。
かっこいいですね~。
バット部にはシルバーウルフAIR76MLB-Sのスペックが表示されています。
あれ?!
このロッド何グラムまで投げていいんだっけ?!
…という時に見て下さいw
何故かジョイント部ではなくガイドの手前に書かれているVジョイントのロゴ。
ティップが途中で変わっているのが違うのが分かりますか?
シルバーウルフAIRのティップにはハードソリッドが使用されています。
ガイド
シルバーウルフAIRに使用されているのはAGS(エアガイドシステム)。
良く見るとちっちゃくAGSって書いていますね!
バットセクションにはガイドが2つ付いています。
写真じゃよく分からないと思いますが、ティップセクションにはガイドが9つ付いています。
ティップセクションにはAIRガイドが9個。
シルバーウルフAIRには合計11個のガイドが取り付けられています。
継ぎ
次は印籠継か?と思っていたのですが並継ですね。
並継はバットセクションよりティップセクションが細くなり先調子のロッドを作るのに向いています。
シルバーウルフAIR AGSの特徴
ブランク
シルバーウルフAIR76MLB-Sは93gという超軽量に仕上げられています。
チニングにおいてロッドの感度はとても重要な要素。
ボトムゲームが主ですから地質(泥、砂、ガレ場など)を把握することは基本ですし、それによって水深変化などの地形も検討が付きやすくなります。
ただ軽くてキンキンならいい竿なのか?というと、そんな訳はありません。
その辺はダイワの品質と開発力、もりぞーさんのご経験と物を見る目にかかっています。
詳しくは後のインプレで。
そんなダイワのブランクスを作り上げているのがのお家芸のSVFナノプラス。
SVFとはカーボン繊維をまとめる樹脂を減らすことによってカーボン繊維を密にして張りのあるシャープなブランクを作るダイワの技術です。
ブランクの話をする時によく「○○トン高弾性カーボンで~」のような話になる傾向がありますが、50トンカーボンだって樹脂量が多いと「アレ?」と違和感を感じるほどダルくなります。
とはいえレジンも必要だからあるのであって、その量を減らすというのは大層な技術が必要なのです。
なおダイワは使用しているカーボンの弾性率については公開していません。
このブランクによって操作性の向上や、ボトムの形状・底質感知能力の向上が見込めます。
更にX45フルシールドという漫画に出てくる技の名前のような機能が加わります。
これはブランクの外側をカーボンテープで締め上げる物で、ブランクスが捩れてしまうことを防ぐものです。
そんなに意識していない人も多いんですが、キャストやアワセを入れる時にロッドは捩れています。
2ピースロッドが分かりやすいですね。
何度かキャストしたら継ぎ目の上下のガイドを見て下さい。
ズレてるはずですから。
これって投げる時に竿はブレるし、フッキング時にパワーはロスするしデメリットしかありません。
それを防ぐ為のスンゴイ構造なんですよ、これは!
まぁ他のメーカーもやってるんですけどね。
ちなみに2ピースの継ぎ目で捻じれるのはフェルールワックス使うしかないです。
破損を防ぐ為にも仕様をオススメします。
アクション
よく竿の調子を「テーパー」という人がいるんですが、これは勘違いです。
テーパーとは傾斜の具合のことを言うだけです。
同じテーパーでもカーボンの巻き方や素材、ガイドの位置でも曲がり方は変わりますから英語を使いたいなら「ややティップアクション」とか「スローアクション」などが正しい言い方です。
シルバーウルフAIR76MLBの調子=アクションを見てみましょう。
これは面白いですね~。
赤がAIRで青がMXで同じ76MLB-S。
それぞれ600gの荷重でこのように曲がります。
シルバーウルフAIR AGSの方がMXよりも先調子であることが分かりますね。
ほどよくマイルドなMXに比べてカリカリなAIRという訳ですね。
ただその分使いこなすのに技量がいるのもAIRの方です。
先調子であればあるほど、キャスト時にウエイトを乗せてリリースするタイミングがシビアだったり、ロッドが魚の引きを吸収していなしてくれないので釣り人側でサポートする必要が出てきます。
燃えますね!
この急激なテーパーを生み出しているのは紛れもなくソリッドティップ。
ティップを細くすることで急激な先テーパーにすることが出来ます。
曲がりの頂点をよりティップ側(ベリー)にもっていくことで操作性を持たせられたり、ティップにしなやかさを持たせながらも強いフッキングが可能になります。
なるほどチニングに最適ですね。
AGS
AGS(エアガイドシステム)はカーボン製のガイドで、2010年にダイワから登場したものです。
その性能は疑いようもなくこうしてダイワの上位機種に採用されるのがスタンダードになりました。
ぶっちゃけ自分もAGSなぁ…と思っていたんですが、同じブランクスで比べたらAGS派になりました。捻れ剛性がぜんっぜん違います…😂
— もりぞー (@morizo57) January 23, 2022
カーボンを使用することによって金属より軽くなるのは誰もでも分かると思いますが、それによって以下のメリットが生まれます。
- キャスト後のティップのブレが減る
- 感度が圧倒的に向上する
- 捩れ剛性が高い
その逆にデメリット
- 金属特有のしなりがなく割れやすい
- 破損時は修理代が高い
同じ重量ならカーボンの方がチタンより強度は高いのですが、カーボンで作られたガイドフレームは金属の物と違って粘りがありません。
全然曲がらないのでラインの振動が直に伝達されるので感度は抜群!
その代わりに硬い地面に落としたりなど瞬間的に強い力が加わると衝撃を逃がせないのでパーン!と割れますので気を付けて下さい。
性能的にはチニングにおいてはガイドの軽量化はプラスに働くことは間違いないでしょう。
ちなみにシルバーウルフAIR AGSではガイドを多点配置することでラインの弛みを軽減させるとか横風でも大丈夫と書いていますが、ガイドを数えると11個。
シルベラードプロトタイプのC762MLも同じ11個…別に多点て言うほどでもないかなと。
流石にAGSガイドを多点配置したら価格が上がるのは防げないでしょうしね。
ちなみにブレニアスエクスチューンのB762MLは12個付いています。
ベイトはスピニングほどガイド多点配置の恩恵は受けないので、そう変わらないと思いますけど。
AGSのリバースガイド🥰🥰#シルバーウルフAIR #チニング pic.twitter.com/mvmQQjogPx
— もりぞー (@morizo57) February 13, 2022
糸抜け向上の為にシルベラードでも採用されていたリバースガイド。
もりぞーさんのシルバーウルフAIR AGSに対する本気度が分かります。
グリップ
シルバーウルフAIRは結構なショートグリップですね。
ボトムのリグに対する操作性が上がる為、個人的にはショートグリップは好みです。
しかしグリップをもう少し伸ばした方が引き手が強く使えるのでキャストで飛距離を出すには有利になりますし、人によって評価が別れそうですね。
恐らくこれが762ではなく792や832などでしたらもう少し延長されるのだろうと思います。
インプレ
キャスト
チニングで主に使用される5g、7g、10g、14gシンカーを使用したフリーリグを使用した感想です。
ソリッドティップとはいえ、もりぞーさんの前作のプロト762ML-HSのように尖っておらず曲がり方はややマイルド。
おかげで全般的に投げやすくなっています。
ただシルバーウルフAIR76MLB-Sはバットからベリーまでの張りがとても強いので、5gシンカーは少し投げにくさを感じました。
5gシンカーでこのブランクをしっかり曲げて飛ばす為には、ハリーシュリンプなどの高比重系ワームを組み合わせた方がいいですね。
このロッドの真骨頂は7gから上でしょう。
10gの使用感はバッチリで、意外なのはソリッドティップであるにも関わらず14gもしっかり背負って投げられること。
想像していたよりも強い。
感度
当たり前ですが、感度は申し分ありません。
これはシルバーウルフAIRの93gという軽さと、ハードソリッドティップ、ブランクの張りの強さの恩恵でしょう。
コン!というリグをひったくっていくような分かりやすいバイトでなくてもクッ…という弱めに引っぱるアタリもハッキリ捉えられます。
チニングロッドと言っても色々ありますが、感度面においてはトップクラスなので十分です。
操作性
操作面においては7g~10gがベストで5g、14gシンカーもカバー。
3.5gシンカーならもっとティップにしなやかさが欲しく、14gを超えるシンカーを操作するならチューブラーの方が適していますね。
バットからベリーは張りが強いといっても、ハードソリッドティップにはしなやかさも残っているのでストラクチャー周りでリグの移動距離を抑えた繊細なアクションを演出出来ますよ!
総評
シルベ無印とプロトの中間的なロッドという評価を聞きますが確かにそんな感じです。
無印を更に感度向上させ、プロトほどのパワーはありません。
シルバーウルフAIRはMXの上位機種だから使いこなすのが大変そう…というイメージがある人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
誰が手にしても使いやすい良いロッドです。
AirとMXの比較
MXも十分によいロッドなのは間違いありません。
ただしAirとは上位機種と下位機種の関係にありますから、性能的にはシルバーウルフAIRの勝ちです。
軽さ、感度、パワー全てにおいて上であるAirの方が使いこなせれば心強い武器になるでしょう。
Airの方が持ち重り感も少ないですね。
ただ使用感という数値化できない部分もあり、マイルドな方が使いやすいと感じる人にはMXもオススメですよ。
まとめ
- 軽くて高感度
- 操作性ヨシ
- パワーも十分
- 76MLB-S…スタンダード
- 72MLB-S…近距離、細かい操作用
- 83MB-S…オープンウォーター遠投用
チニングのまとめ記事に関してはこちらをどうぞ。
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