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フェルールワックスとは
フェルールワックスとは、マルチピースのロッドの継部に塗ることによって継部のガタ付きを抑える物です。
それによって釣りの途中で継部が緩んで抜けてしまうことを防ぐことが出来ます。
継部が緩むとキャストと同時にスポーン!とティップ側のセクションが吹っ飛んでしまったり(経験有り)、ガタついている状態でロッドに強い負荷を与えると継部が破損することもあります。
そんな便利なフェールワックス…それだけ聞くとメリットはあれどデメリットはないようですが、それはとんだ勘違い。
注意して使わないと逆に問題が起きる諸刃の剣。
今回はそんなフェルールワックスのあまり語られることのないデメリットに注目してみました!
フェルールワックスのデメリット①抜けなくなる
フェルールワックスを塗った分だけキツくなる
フェルールワックスを塗ることによって継部の凹凸を埋めてガタを無くす…それは言い換えれば塗った分だけキツくなるということです。
その状態で無理に押し込むと抜けなくなってしまい、無理に抜こうとして破損…なんてことも。
無理に押し込まなければいいんでしょ?
初心者じゃないんだから大丈夫!
…と思っているあなたは確実にヤバイ!
詳しくご説明していきます。
フェルールワックスは熱で膨張する
フェルールワックスに限らないのですが、物質は気温が高いと膨張しますよね。
夏場など高温になりやすい時期はあまりピチッと差し込んでいると、抜けにくくなってしまうことがあります。
無理に奥まで押し込んでないぞ!と思っていてもそうなることがあるのです。
抜けない時は二人でロッドのバット側とティップ側を持って真っ直ぐに引っ張ることで抜けます…が釣場で1人だったらどうしますか?
ロングロッドだと1ピースのままだと車に積めないかもしれませんよね。
自転車やバイクで釣りに行く人は背負えなくなりますよ。
何とか持って帰れたとしても、友達や家族がいない人だったら人に頼むことも難しいはず。
フェルールワックスのデメリット②抜けやすくなる
抜けにくくなるのに抜けやすくなる?
意味がわからん!
床に塗るワックスは滑りますよね。
それと同じです。
フェルールワックスは緩み防止だけでなく固着防止という効果もあります。
フェルールワックス塗布後にロッドを継いでみれば分かるのですが、摩擦が弱まって「ヌルッ」としっとりした感触に変わります。
抜けなくなることを恐れて差し込みが不十分だと、逆に抜けやすくなってしまうこともあるんです。
適切な力加減が大事という訳ですね。
フェルールワックスのデメリット③保証が受けられなくなる可能性がある
ヤマガブランクスとリップルフィッシャーに関しては、継部にフェルールワックスを塗ることを基本的に禁止しています。本来ロッドを守るはずのフェルールワックスですが、上記のようなデメリットを考慮してこのように決めているようですね。
結局フェルールワックスって塗るべきなの?塗るべきじゃないの?
基本的には塗る方がベターです。しかしヤマガブランクスとリップルフィッシャーに関してはメーカーの推奨に従って塗らずに使うべきです。
この2社は継部の設計が他社とは違うのかもしれませんね。
何にせよ、開発者がそう言うからにはそれに従うのがベターかと。
メーカーの言うことに逆らってフェルールワックスを使用して破損した場合、最悪保証が受けられなくなる可能性があります。
ちなみにこの2社の社長は同じ人で、リップルフィッシャーのロッドはヤマガブランクスが作っています。
フェルールワックスのデメリット④買うのにお金がかかる
たかが600円程度なので大したことはないのですが、それでもお金はかかります。
年に1回か2回しか釣りに行かない人なら使わなくてもいいし、それでも使いたいなら後でご説明する代用品でもいいです。
ロッドは消耗品だから中古で5千円の物で十分、という人も別に気にしなくて良いかと。
要は使う必要が少ないなら600円と言えど無駄金なのです。
そもそもそういう人は結局使わなくなりますので。
正しいフェルールワックスの塗り方
デメリットを理解した上できちんとフェルールワックスを塗りましょう。
それでは手順をご説明していきます。
まずはフェルールワックスのエンドを回します。
するとこのようにニュ~と伸びてきますので、この状態で塗ります。
リップクリームのようですね。
まずはフェルールワックスを塗らずにしっかりと継ぎます。
次にその状態で継部の境にマスキングテープで位置出しをします。
では実際にフェルールワックスを塗っていきましょう。
継部のオス側に縦にまんべんなく塗っていきます。
すると大体の人がこんな感じになるでしょうが、写真を見るとフェルールワックスの塊が残っていますよね。
これは塗りすぎです。
実際に差し込んでみると、このように余分なフェルールワックスが押し出されます。
これが余分ということですね。
マスキングテープの位置までティップセクションが入っていません。
逆にしっかり差し込めていない状態という訳です。
ということでいったん引き抜いて、継部のオスを布で拭いて余分なワックスを減らして再トライ!
マスキングテープの位置までちゃんと入ればOKです。
指が汚れるのが嫌じゃなければ、指につけて伸ばしながら塗るのが一番ですよ。
体温によってフェルールワックスも柔らかくなりますし、まんべんなく濡れますから。
あとロッドを捩じるように回転させながら差し込んで下さい。
そうすることによってフェルールワックスがメス側内部の全体になじみます。
オススメのフェルールワックス
フェルールワックスというと一般的な釣具屋さんにはスミス製の物が置いてあることが多いですね。個人的にはこちらがオススメです。
何故かというとフェルールワックスは熱で溶けるんですよ。
でもスミスのフェルールワックスは高い気温でも溶けにくいので間違いないです。
フライフィッシングのお店だったらティムコを置いてあることが多い傾向があります。
こちらはスミスに比べて夏に溶けやすいのがデメリットです。
横に倒して保管していると中で溶けてしまい、次に使おうとした時に斜めに固まってたり。
最悪漏れ出すこともありえるので、個人的にはスミスの方がいいかなと。
しかしスミスよりちょっと安いのがメリットです。
スミスが在庫を切らしていたらこちらでもいいです。
夏でも日が当たらないように保管場所に気を付ければ大丈夫でしょうし。
代用品として蝋燭を使うことのデメリット
ご存知の方も多いでしょうが、フェルールワックスの代わりにロウソクも使えます。
これなら100円ショップで売ってます。
ただ個人的にはデメリットの方が目立つのでオススメしません。
ちゃんと塗れれば性能的な物は変わらないのでしょうけど。
<<ロウソクのデメリット>>
・硬い固形物なので何度もこすり付けないといけない
・同じ理由で全体に均一に馴染ませにくい
フェルールワックスはたかが600円ですよ。
一度買ったら下手すれば一生もつし、別に惜しむ所ではないと思います。
フェルールワックスの使用頻度の目安
まず「緩んできたらフェルールワックスを塗る」ではなく、購入した時に最初に塗るべきです。
それによってフェルールの消耗が抑えられますので。
後は週に1回釣りに行く人で2ピースなら年に4回が目安でしょうか。
すなわち春・夏・秋・冬の1シーズンに1回ということですね。
週に2回釣りにいく人なら単純にその2倍で。
釣行毎にフェルールワックスを塗る人もいますが、そこまで意味はありません。
こんな人はフェルールワックスを使うべき
・一生大切に使いたいロッドがある
・釣りの最中に緩みを確認するのが面倒
・ティップセクションが抜けて無くしてしまうのが怖い
・マルチピースロッドを使っている
近年はマルチピースロッドの必要性が見直され、愛好者の方も増えています。
フェルールの緩みによるデメリットは、ピースが増えれば増えるほどそれに比例して大きくなります。
2ピース派以上にマルチピース派の人はフェルールワックスを使用するべきです。
ということで、デメリットを理解した上で正しくフェルールワックスを使用しましょう。
リールの傷に関してはこちらをどうぞ!
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