「天候や時間に合わせてエギのカラーを選び、シャクってフォールして抱かせる」
それが一般的なエギングに対するイメージですが、そんな釣り方は潮が速いポイントでは通用しません…。
特に岡山県倉敷市下津井は瀬戸大橋を望む海峡部にあり、川のような激流で知られています。
今回はそんな潮が速いポイントを攻略するための「ドリフトのエギング」について解説していきますよ!
ちなみに私の知り合いで「イカを釣るイメージが沸かなくて、エギングがどうしても苦手なんだ」という人がいたのですが、ドリフトを教えたらその日に10杯釣っていました(笑)
潮とかドリフトとか言うと難しそうなイメージがあるかもしれませんが、要はエギを潮に乗せてヨレに送り込むという単純な作業です。
これが出来ればアオリイカなんて誰でも釣れますよ!
動画で実釣シーンを見たい方はこちらもどうぞ!
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ポイント
ドリフトはどんな場所でもできますが、一番得意とするのは地磯です。
というのもドリフトはフォールもするんですが、その本質はあくまで横の釣りなんですね。
つまり上から見下ろした時にイカがいる位置を見つけるのは得意なんですが、その反面正確にレンジを刻むのは難しい。
でも地磯ならそれほど水深がないので、仮にキャストした先の水深が6mであれば、水面から3mぐらいを攻めていれば浮いているアオリも底のアオリも両方反応します。
同じ理屈でゴロタ浜やサーフも得意そうですが、磯よりも浅くて潮が緩いことが多いですよね。
そのためドリフトよりも巻きの要素が強くなりがちです。
もちろんロッド角度の調整やスーパーシャローエギを使えば出来ますけど、磯が一番向いています。
ただし地磯は波止の先端やコーナーのように一目で良いポイントは分かりません。
潮位や本流の向き・強弱によって狙うべきヨレの位置がコロコロ変わるので、エギの流され方でそれを判断しながら移動します。
そのため磯の難易度は本人の潮読みスキル次第といったところで、目の前十数mしか分からない人もいれば、km単位で潮を読む人もいます。
タックル
ロッド
エギング用のソリッドティップのタイプがおすすめです。
ティップが硬すぎると潮の向きや強弱が分かりにくいし、ラインテンションのコントロールができないため、ドリフトエギングには向いていません。
しかし軟らかすぎるとエギをシャクった時にティップが力を吸収して跳ね上げられない、また細いので折れないようにキャストに気を使うなどのデメリットもあります。
そのため私は中間的な性能を持つハードソリッドを使用していますが、チューブラーの感覚で扱えて、ソリッド的な使い方もできるのでいい感じです。
リール
はエギング用の2500番からC3000を使ってください。
私は他の釣りとの併用で汎用リールを使っていますが、シャクった後にハンドルが勝手に回ったり、ノブを掴む時に空振りしたりします(笑)
やはり本格的にエギングをやるならダブルハンドルと大きなノブが付いている専用リールの方がよいですね。
ライン
PEラインは風の影響を気にしたり操作感重視なら0.6号、エギのロスト率を下げたり他の釣りでも使い回すなら0.8号でOKです。
リーダー
フロロの2.5号を中心に、ノット部で切れてほしくない人は2号、エギの回収率を高めたいなら3号を選んでください。
正解はないのでメインラインとの強度の兼ね合いや、釣り場の底の荒さで選びましょう。
エギ
今回のような地磯では2.5号をメインに3.0号シャローを使います。
これはイカが抱きやすいサイズ云々ではなく、沈下速度と潮受けを重視した結果です。
今回のように遠浅な地磯やサーフではエギが速く沈むと流せないので2.5号がメイン。
ただし潮が緩んだときには更に体積が大きくて潮受けがよい3.0号シャローでフォローするといった感じですね。
これが水深がある漁港の場合は3.0号ノーマルを使ったり、3.5号ディープでないと送り込めない潮もあります。
釣り方
基本
まずはフルキャストして着水したら素早く糸フケを取ってラインを一直線にします。
スプールエッジを人差し指で抑えながらラインを小出しにして、エギを沈ませていきます。
狙ったレンジに到達したらシャクリを入れて、今度は水中のラインを一直線にします。
ここからドリフト開始。
エギは横に流されるだけでなく沈んでいくので、一定の間隔でシャクリを入れて跳ね上げてレンジをキープします。
エギが左右どちらに流されているのか、手前に寄ってくるのか沖に引っ張られるのかにやって、潮が左右前後どのように動いているのかを観察します。
これを繰り返して潮のヨレを見つけて、そこに送り込むんですね。
あまり潮が緩い手前まで攻めると根掛かりするので早めに回収します。
基本はアップに投げてダウンに流していくんですが、アップに投げるとラインが流されて弛んできます。
そこでジワーっと竿を引いたり少しだけハンドルを巻いて、張らず緩めずのテンションをキープしてください。
張り過ぎるとエギが浮いて手前によってきますし、緩めすぎると潮が分からずアタリも取れません。
逆にエギが自分よりダウン側に来たらラインが張ってどんどん浮いてきてしまうので、リールからラインを出してレンジキープしてやるなどの操作も必要です。
普通のエギングでは竿先を下げて待つのですが、ドリフトでは上げてテンションキープの操作を加え続けるのが、動作上の違いです。
つまり待つのはフォールではなく、流すため。
しゃくるのはダートではなく、レンジキープのため。
動作自体は普通のエギングと大差ないのですが、やっている意味が違うんですね。
潮のヨレは流されているエギが止まるのですぐに分かります。
バックドリフト
エギを潮に乗せてダウンに流し込んでいく方法をバックドリフトと言います。
名前からは強力な必殺技のような印象を受けるかもしれませんが、時間もかかるしアタリは取りにくいので決してメリットばかりではありません。
ちなみに100m以上沖で掛けたら寄せるのにメッチャ疲れますよ(笑)
使いどころは2つで、1つは沖のシモリの位置を把握している場合。
そのポイントで投げ釣りをしている人なら知っているかも、という程度ですね。
もう1つは水温とレンジの関係で、私が住んでいる岡山で使うのはほぼこのケース。
岡山は10月下旬になるともう浅場から徐々にアオリイカが離れていきます。
そこでエギを本流にのせて水深がある沖まで送り、そこからラインを張って本流から外れたらドリフト開始です。
ドラグ&合わせ方
よくドラグをゆるゆるにしてシャクるたびにジッジッて音がして、イカが掛かるとジジジ~って鳴らしっぱなしの人がいます。
あれはエギを跳ねすぎないようにするとか、掛かった後の身切れを防ぐという意味があるんですが、ドリフトの釣りには合いません。
ドラグが出るとエギの跳ね上げ幅が足らずにレンジキープしにくいのです。
またドリフトエギングではエギが横方向にも動くため、アオリイカがしっかりとエギを抱きにくく掛かりが浅いことがポロポロあります。
そのため少し待ってエギを直させてから強くアワせることで、カンナの位置をスライドさせないといけません。
そのためドラグが出ては困るのです。
またガチで釣りたい時は掛けた後にリール何巻きでアオリを浮かせられて、そこから何巻きで寄せられるか数えることで、群れの位置とレンジを正確に把握します。
そんな時にドラグが緩いと正解がボヤけてしまうんですね。
コツ
ドリフトのコツを一言でいうならラインテンションのコントロールです。
張らず緩めずをキープできれば潮の流れ方やヨレの位置が分かり、そこから逆算してどこに投げればいいのかも分かります。
あとは潮に任せて流すだけの単純作業。
1つの潮から抜けるだけ抜いて、アタリが無くなれば別の潮を探して移動する。
ドリフトでは一般的なエギングのように下地カラーやダートアクションがどうとか、そんなものは気にしません。
1にも2にも潮が大事で、エギの号数ですらそのための要素に過ぎません。
強いていえばあまり暴れすぎない、姿勢が安定したエギの方が数は伸ばせる感じです。
まぁ餌を食うためにそこに来ているアオリを狙う釣りなので、基本的には居れば釣れます。
ちなみにアオリイカもシーバスと一緒で、エギを回収しようとする時に足元で釣れることが多いので最後まで気を抜かないでください。
最後に
上の動画でキャストから操作、掛けて取り込むところまで撮れていますのでご覧ください。
巻きのエギングに関してはこちらの記事をどうぞ。
コメント
コメント一覧 (4件)
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昨日下津井リベンジ行って来ました。パタパタの地味カラーでやっと初イカパンチを貰えました。
釣果とはなりませんでしたが一歩前進した気がします。
教えて頂きたいのですが、無数にあるエギのカラーの使い分けはどのようにしていますか?
ついつい見た目で派手カラーばっかり買ってしまいます笑笑
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まめをさん、お返事が遅くなりすみません!
おお、確実にアオリに近づいてますね!
カラーに関してですが、アオリは色の識別は出来ないと言われています。
ただ濃淡としては区別出来るようですから、カラーローテーションはスレを進行させない為に適度にすべきかもしれません。
しかし一般に言われるような最初は派手なピンク、澄み潮はナチュラルカラーとかは、イカを擬人化しすぎだと思います。
一応、エギ王ねらば「金アジ」など下津井で実績が高いとされるカラーはありますが、まずは場所、次にレンジ、その後アクション。カラーは一番最後だと思います。
自分もカラー気にしすぎてたので参考になりました。
オイカワマルさん、こんにちは!
カラーも間違いなく関係はしているのでしょうが、その他の要素に比べて優先順位は低いですよね~